『琳派から日本画へ』
2013年3月23日(土)、山種美術館で標記展覧会を観ました。会期は2013年2月9日(土)~3月31日(日)。
本展を訪れた目的は、琳派に心酔しているからでは決してなく、加山又造「千羽鶴」を観たいがためだったのです。
てゆーか琳派ってよく分らんす。
1500~1600年代の本阿弥光悦と俵屋宗達が始めた装飾性やデザイン性があって、1600~1700年代の尾形光琳がそれに強い影響を受けた。そして1700~1800年代の酒井抱一や鈴木其一が尾形光琳の作風に影響されたという流れだそうじゃないですか。
それぞれの間に100年程度の断絶があるのに、それでも琳派というひとつの潮流である、って部分になんかピンと来ないわけです個人的に。
それはともかく「千羽鶴」。グラフィックデザインとしての美しさは本当に素晴らしいですよねぇ。
『はじまりは国芳』
2011年は歌川国芳の没後120年、2012年は月岡芳年の没後120年ということで、歌川国芳や月岡芳年の回顧展が何件か開催されました。そんな被りネタっぽくありながらも、他の先行展覧会とは一味違うのが、横浜美術館で開催された標記展覧会です。
会期は、2012年11月3日(土)~2012年12月5日(水)が前期、2012年12月7日(金)~2013年1月14日(月)が後期の2期制。
前期を2012年11月23日(金)、後期を2013年1月12日(土)に観てきました。
入り口正面から見えるのは「相馬の古内裏」ではありませんか! その隣には「源頼光館土蜘蛛妖怪図」がある! 町のお化け好きとしてはもうテンション上がる上がる! うひょー!
なお後期は「宮本武蔵の鯨退治」「鬼若丸の鯉退治」と国芳の三枚続の大判画に展示替え。これまたド迫力のお出迎えに掴みがオッケー過ぎる。
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『美術にぶるっ! 第1部 MOMAT コレクションスペシャル』
その展覧会の会期は2012年10月16日(火)~2013年1月14日(月)。行かねば行かねばと思いつつ、やっと年も明けた2013年1月5日(土)に行ってきました標記展覧会。またまた滑り込みの鑑賞です。
で、二部構成になっているこの展覧会のうち、本稿はその第1部について。
東近美は4階から2階で常設展がおこなわれていますが、今回は開設60周年を記念して常設フロアを大改装、そして60年間に収集した選りすぐりの名品ばかりを展示するという。そんなとてもゴージャスな展覧会が『第1部 MOMAT コレクションスペシャル』なわけです。
もうすべこべ言わずに観ろ、って感じですよねこの圧倒感。なので、今回の展示品で惹かれたもののご紹介にとどめます。
『竹内栖鳳 ―京都画壇の画家たち―』
いつだったでしょう。「班猫」という題名の絵があると知ったのは。
何! ハンミョウ?! あの美しい鞘翅目の昆虫を描いた絵があるのか!
あの獰猛な昆虫のどのような姿態をとらえているのだろう、あの青や赤に輝く鞘翅がどのように彩色されているんだろう、ぜひ観てみたいなぁ。
などと、この大空に妄想の翼広げ飛んで行ってしまった、かつての私です(ハンミョウの漢字表記は「斑猫」だということをすっかり失念していたのが敗因)。
実はその絵、「はんみょう」ではなく「はんびょう」と読み、猫を描いたものだということを知って、おおいに意気消沈してしまったわけですが、それは早とちり。ずいぶん味わい深い素敵な日本画なのでした。
その「班猫」の現物が展示されていたのが2012年9月29日(土)~11月25日(日)の会期でおこなわれていた標記展覧会。会場は山種美術館。
終了間際の2012年11月24日(土)に滑り込みで観てきました。
ところで「班」という文字には「斑」の意味もあるんですかね。ぶち猫を描いた絵ということなら「斑猫」という表記になると思うんですが。
『百花繚乱 女性の情景』
2012年9月22日(土)に、横須賀美術館で標記展覧会を観てきました。
会期は2012年9月15日(土)~10月21日(日)。
美術のモチーフと女性は切っても切れません。
やはり西洋絵画における裸婦がその代表でしょうが、はるか太古の土器時代に豊穣・多産を祈るため女性像が作られたりしているように、女性の美は、人間の創作における永遠のテーマです。
この展覧会では、日本近現代美術において、女性がどのように美術に描かれてきたのかということが、4つのテーマで展示されています。
第1章は、文学や歌舞伎、歴史上の女性などを描いた「物語、歴史にみる女性」。
第2章は、日本近現代の特徴的な女性像といえばやはりこれ「モダンガール」。
第3章は、画家にとってのファム・ファタルに視点を求めた「画家とモデル」
第4章は、現代に生きる女性表現を多様なメディアで紹介する「現代と女性」。
展示作品は主に日本画。その他に洋画や写真、ポスター。そして明治から大正にかけて発刊された各種女性誌、また作品や作家周辺の情報を知ることができる美術誌などで構成されています。