『「日本画」の前衛』

2011 / 02 / 10 by
Filed under: 展覧会日記 
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『「日本画」の前衛』

『「日本画」の前衛』

2011年2月5日(土)は、東京国立近代美術館で2011年1月8日(土)~2月13日(日)の会期でおこなわれている標記展覧会を見てきました。

目当ては靉光の「眼のある風景」だったんですが、他にも興味深い絵がごまんとあって何とも嬉しい番狂わせでしたよ。

  1. 「日本画」前衛の登場
  2. 前衛集団「歴程美術協会」の軌跡
  3. 「洋画」との交錯、「日本画と洋画」のはざまに
  4. 戦禍の記憶
  5. 戦後の再生、「パンリアル」結成への道

本展覧会は上記の5章構成になっており、第2章のタイトル中にある「歴程美術協会」というグループの活動紹介になるそうです。
第1、2章はいまいちピンと来なかったんですよねぇ。えーこれで前衛なの、って感じ。たとえば山岡良文「潮音の間襖」「矢さけび」は波を描いたものですが、その表現は特に伝統の域を出ているとは感じられなかった。

ところが第3章のコーナーに入ってビックリ。
展示してある絵のどれもこれもが驚きと感動に満ち満ちています。
たいていの展覧会では一つか二つでも、あるいは一人か二人でも、心に残れば儲けもんってな感じですが、こんなに圧倒されたのは初めて。

感動はそのまま第4章も続きます。このコーナーは基本的に山崎隆という画家の一人舞台。
展示作品は屏風。二曲、四曲、六曲の屏風が10点近く一堂に会し、なんとも圧巻。サイズ的な大きさだけではなく、そこに描かれている絵にも圧倒されます。
戦地を描いた屏風絵とのことですが、茫漠たる荒野がどこまでも続く寒々しい絵で、静かながらも戦争の悲惨さ・虚しさが響いてくる。
個人的に気に入ったのは「戦地の印象」という作品。
他の作品は荒れた岩肌や赤茶けた土など具象絵画として戦地を描いています。対してこの作品は言ってみれば抽象画。紙に染料を沁み込ませて、偶然による滲みをして鑑賞者に荒野を想起させるという描き方をしており、いろいろを想像が広がって楽しいですよ。

そんな感動に包まれながら次の第5章に進んだら、あれ、なんか急にありきたりな感じの絵になりましたよ。
期待に膨らんだ心が一気にしぼんでしまいました。
なんで急につまらなくなったんだろうと説明書きを読んだらば、第1~4章までは「歴程美術協会」の画家たちのもので、第5章は「パンリアル」という集団によるものとのこと。
「歴程美術協会」に所属していた山崎隆を中心に結成されたグループらしいですが、時代の違いからなんでしょうか、やはり歴程美術協会のカラーとはずいぶん異なります。パンリアルは私の波長とはちょっと合いませんでした。

しかしこの展覧会は思わぬ拾いものだったなぁ。
地味で日に当たらないっぽいけど、なかなかに興味深いテーマで展覧会を開いてくれるんだから、国営美術館はありがたいなぁ、とあらためて感謝の思いを抱いたのでした。

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