『豆腐小僧その他』
京極夏彦・著
角川文庫
660円
映画「豆富小僧」公開に併せて、豆腐小僧関連で京極夏彦による文庫がもう一冊出ています。それが「豆腐小僧その他」です。
最初に「小説 豆富小僧」という作品が収録されています。これは「豆富小僧(角川つばさ文庫)」の再録とのこと。
で、この小説、映画「豆富小僧」とずいぶん似通っています。現代が舞台でジュブナイルなところとか、天候管理システムが出てくるところとか、実はこっちのが映画原作なんじゃないの? と思えるような筋運び。まぁ実際の展開はずいぶんと違うんですが。
『文庫版 豆腐小僧双六道中ふりだし』
京極夏彦・著
角川文庫
940円
先に映画「豆富小僧」について触れましたが、その原作はこの本だという。
ずいぶん前に買ったんですが長いこと積読でした。映画も観たことだし、この際原作も押さえとくか、ってなわけで、先日読了した次第。
でもこれ本当に原作なの? 話全然違うじゃん。後述しますが、同じ著者による「小説 豆富小僧」ってのもあります。が、これも原作とは言い難い。
映画はずいぶんとジュブナイルなシナリオでしたが、原作本はあにはからんや、いつもの京極節炸裂で萌える!
体裁上、幕末を舞台とした物語になっていますが、その実態は著者による「妖怪とは何か」という学術論文です。
豆富小僧
日本初の長編3Dアニメーション映画が謳い文句の「豆富小僧」の話。
子供向け作品なので物語には触れません。愛と感動のお約束な王道話なので。
深キョンの声は如何なものか、と強く思うんですが、まぁそれも触れません。
この映画は3D映画ですがその点にも触れません。別に3Dである必然性は感じられませんでした、とだけ言っときましょうか。
じゃ何を語るのか。
その映像表現について、シロウトによるミーハーな感想を述べます。
『豆腐小僧あらわる!』
2011年5月21日、江戸東京博物館にて、『五百羅漢』展で狩野一信の五百羅漢図をおおいに堪能した後は、エレベータで6Fに昇ります。
江戸東京博物館の5、6Fは常設展示室ですが、5Fの一角「出版と情報コーナー」において、2011年5月1日(日)~5月22日(日) の会期でおこなわれている標記特集展示も併せて見てきたわけです。
『五百羅漢』
狩野一信の五百羅漢図は、以前、板橋区立美術館で開催された『諸国畸人伝』という展覧会で3点ばかり見たんですが、そのとき受けたインパクトは今でも忘れられない。その描込その画題その内容、一言でいえば「濃いキモ」。おおいに圧倒されました。
ところで五百羅漢図は芝増上寺秘蔵の仏画で全部で100幅から成るものなんだとか。複数1セットのものがある、と言われると、全部を見たくなる揃えたくなるのは人情というもの。
たった3点であれだけの衝撃を受けたんです。全部見ることができたら、どんだけ心的ダメージを被るだろうか。これは体験してみたいもんですよ、と思っていたところ、両国は江戸東京博物館で五百羅漢図全100幅ご開帳という快挙の報が、今年の初めだったかに入ってきました。
これはスゴい、期待せざるを得ない、と思っていたところ、東北大震災の影響で予定どおり展示ができないことになり、非常に残念に思っていたんですが、当局の皆様のご尽力で、改めて、2011年4月29日(金)~7月3日(日)の会期で無事開催されることになりました。よかったよかった。
そんな期待に胸膨らむ標記展覧会を2011年5月21日(土)に見てきました。いやぁ実に素晴らしかった。