『豆腐小僧あらわる!』
2011年5月21日、江戸東京博物館にて、『五百羅漢』展で狩野一信の五百羅漢図をおおいに堪能した後は、エレベータで6Fに昇ります。
江戸東京博物館の5、6Fは常設展示室ですが、5Fの一角「出版と情報コーナー」において、2011年5月1日(日)~5月22日(日) の会期でおこなわれている標記特集展示も併せて見てきたわけです。
この展示は京極夏彦原作の3Dアニメ映画「豆富小僧」にあやかった企画です。
妖怪といってもいろんな種類があるんだそうでして、村落等地域共同体に民間伝承として伝わる民俗学の対象となる怪異もある一方、江戸時代に黄表紙にキャラクターとして造形された化け物もあるそうな。
豆腐小僧というのは後者の最たる者らしい。伝承関係なしに、名前と姿が空想されたものとのこと。
ワタクシ前者贔屓で後者は好きではありません。だからアダム・カバット先生が研究対象としているような妖怪はあんま興味ないんです。柳田國男派ってゆうか。
それはともかく、話をこの展示に戻しますと、展示物は4つに分類されており、それぞれの内容は以下のとおり。
- 映画「豆富小僧」関連の物件
- イメージボード、台本、パンフレット
- 文庫版 豆腐小僧双六道中ふりだし (角川文庫)の口絵に使われた、荒井良さんによる豆腐小僧のフィギュア
- 豆腐小僧が描かれた黄表紙
- 「狂言竒語 古今化物評判(きょうげんきご ここんばけものひょうばん)」 1814年(文化11)
- 「怪化競箱根戯場(ばけくらべはこねかぶき)」 1794年(寛政6)
- 「變化物春遊(へんげものはるあそび)」 1793年(寛政5)
- 化け物を題材とした黄表紙等
- 豆腐に関連した資料
- 「豆腐百珍」 1782年(天明2)
- 「近世職人絵尽」 1890年(明治23)
- 「職人盡發句合 地(しょくにんづくしほっくあわせ ち)」 1797年(寛政9)
江戸東京博物館ということで考えると売りになるべきは後者三つに該当する古文書ですが、豆腐小僧の出ている文献がたった3点だったので肩すかし。
「出版と情報コーナー」陳列台の対面は絵双紙屋の再現セットになってます。
特集展示はそちらの方にも及んでいました。
セットの棚には浮世絵や絵双紙の代わりに「豆富小僧」のイメージボードがかなりたくさん展示されており、こっちはなかなか圧巻でしたよ。
映画「豆富小僧」のプロモーションという意味では、けっこうイケてる展示だと思います。
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