『だまし絵Ⅱ ―進化するだまし絵―』
2014年9月19日(金)、Bunkamura ザ・ミュージアムで標記展覧会を観ました。会期は2014年8月9日(土)~10月5日(日)。
正直、アルチンボルド《司書》の豪華一点主義な展覧会だとばかり思っていましたが、なかなかどうして、よい意味で意表を突かれました。
『種村季弘の眼 迷宮の美術家たち』
2014年9月12日(金)、板橋区立美術館で標記展覧会を観ました。
本展覧会は、澁澤龍彦と並んで、錬金術、魔術、吸血鬼、エロティシズム、アナクロニズム、ペテン師等、西洋文明の異端や暗黒面を日本に紹介した文学者・種村季弘の、直筆原稿や著書といった著述活動にかかわるアイテムや、彼が愛した美術作品を堪能できるものです。
澁澤龍彦と種村季弘。いずれも河出文庫にその著作が多く収録されています(ただし種村著作は多くが品切・重版未定)。
しかし、私、澁澤龍彦は文庫オリジナル編集もの以外はたいてい読みましたが、種村季弘は全然読んだことなくって、本展でその謦咳に触れる機会をいただいた次第。
『アートが絵本と出会うとき』
2014年1月16日(木)、うらわ美術館で標記展覧会を観ました。会期は2013年11月16日(土)~2014年1月19日(日)ということで滑り込んできた次第。
本展覧会の趣旨に曰く。
先鋭的・前衛的・現代的な美術作品と子どもの絵本。このふたつは一見無関係で遠いものに思えます。しかし時代の先端で新しい表現を試み、開拓した美術家たちの中には、子どものための絵本を描き、そこでも実験精神を発揮した美術家がいました。
ということで、アバンギャルドな作風を特徴とする作家が手掛けた絵本やその原画を堪能してきたわけですが、個別に感じたことなんぞ。
『ポール・デルヴォー展 夢をめぐる旅』
2013年3月20日(水)、埼玉県立近代美術館で標記展覧会を観ました。
会期は2013年1月22日(火)~3月24日(日)。特別出品予定の「バルコニー」を待っていたら、滑り込みの鑑賞になってしまったという。しかも諸般の都合で結局は出品されず、図録に収録されている図版で我慢することとなった次第。
石造神殿、電車、線路、クレーン、裸婦、三日月、薄明などなど。デルヴォーが描く絵の数々は、まるで一連の夢の光景を観ているようで、実にステキ。
シュルレアリスムの分野でゆるぎない個性を確立した綺羅星であるデルヴォーも、そのスタイルを確立するまでには長い紆余曲折があったという。初期から晩年まで時系列に並べられた作品により、そんな画家の自分探しの経過をうかがい知る、なかなか興味深い展覧会です。
『ジェームズ・アンソール展』
2012年11月3日(土)、新宿の損保ジャパン東郷青児美術館で標記展覧会を見てきました。本展はベルギーのアントワープ王立美術館が所有するアンソール・コレクションがベースになっているもので会期は2012年9月8日(土)~11月11日(日)とのこと。
アントワープ王立美術館と言えば、2年前に初台の東京オペラシティアートギャラリーで『アントワープ王立美術館展』が開催されました。
あれは確か、改修工事に伴う美術館の閉鎖を機にした収蔵品による出稼ぎ展覧会でしたね。上野の東京都美術館の『マウリッツハイス美術館展』と同じですな。この展覧会もコレクション大放出な出稼ぎ展覧会のひとつなんでしょうか。
ジェームズ・アンソールと言えば、色合いは明るいけれど、そのモチーフが髑髏やら仮面やらといった、観ていて何とも暗欝で不吉な印象を抱かされる絵を描き続けた、とても心ときめく画家です。