『だまし絵Ⅱ ―進化するだまし絵―』
2014年9月19日(金)、Bunkamura ザ・ミュージアムで標記展覧会を観ました。会期は2014年8月9日(土)~10月5日(日)。
正直、アルチンボルド《司書》の豪華一点主義な展覧会だとばかり思っていましたが、なかなかどうして、よい意味で意表を突かれました。
騙し絵と聞いて想起される古典的な作品は少なくて、コンテンポラリー・アートがかなりを占めていた、というのが意表を突かれた点その1。
展示されたコンテンポラリーの中に、騙し絵って括るのはちょっとどうかなー、という作品もありました。
チャック・クロース《フィンガープリント》シリーズとか高松次郎《影》シリーズとかデイヴィッド・ホックニーとかアニッシュ・カプーアとか。
でも、これらを含めて、展示されていた作品群を騙し絵として捉える視点は、新鮮というか斬新というか、いいセンスかもしれない、という印象を受けました。
それにコンテンポラリー・アート嫌いの私としては、こういう機会でもないと観ないんで、セレンディピティの機会を与えていただいて感謝する次第です。
絵画ではマグリットの《赤いモデル》と《白紙委任状》を観ることができたのが、大きな収穫。
そしてダニエル・ローズィンの《木の鏡》。
YouTube ではけっこう前から観ていたけれど、実物にお目にかかれる機会があろうとは想像もしていませんでした。
ところで、今回展示されていたのは再制作なんですかね。出展リストを見ると2014年になってますが、作家本人のサイト? を見ると制作年は1999年になっています。形も、片や八角形、片や矩形と異なります。今回のやつはビデオカメラ用の隙間がずいぶん大きくて、そこがちょっと興醒めポイント。
ダニエル・ローズィンは Wodden Mirror (1999) と同じ機構を使った、Weave Mirror (2007) や Peg Mirror (2007)、Mirrors Mirror (2008)、Rust Mirror (2010)、Trash Mirror (No.3 2011) などなど数多くの姉妹作品を作っているので、見比べるのも一興かも知れません。
意表を突かれた点その2。日本にアルチンボルドを所蔵しているところがあるとは驚きでした。大阪新美術館建設準備室やるなぁ。
そして、最終展示作品 a-ha「テイク・オン・ミー」のミュージックビデオクリップ。ロトスコープを騙し絵と言い切っちゃうなんて、意表を突くにも程がある。懐かし過ぎて泣きそうになりました。
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