『芳年展(前期)』

2012 / 03 / 14 by
Filed under: 展覧会日記 
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『芳年展(前期)』

『芳年展(前期)』

2012年3月14日(水)は砂子の里資料館で標記展覧会を見てきました。会期は2012年3月5日(月)~24日(土)。

京急川崎駅の近くに実は旧東海道が走っているんですが、この砂子の里資料館というのは、その道沿いにある、斎藤文夫という方の私立美術館です。その展示内容は斎藤館長の浮世絵コレクション。

ところで話は芳年からいったん離れて国芳に移ります。
去年2011年は国芳没後150年ということで大々的に展覧会がいろいろと催されたわけですが、そのときミステリアスな話題が持ち上がったことを皆さん覚えていらっしゃるでしょうか。
そう、「国芳は東京スカイツリーを描いていた」(『東都 三ッ股の圖』)というヤツですね。
この絵を発見した…… というか、話題になるきっかけを作った人が、この砂子の里資料館の斎藤館長さんです。

国芳はさておき、今回の話は月岡芳年の展覧会。芳年というと、お化け好き的には安達ヶ原の鬼婆の絵だとか、お化け大集合の「和漢百物語」に「新形三十六怪撰」、あるいは血みどろ無惨絵「英名二十八衆句」(共作)あたりに心惹かれるわけですが、この展覧会で見られるのは「月百姿」です。
「月百姿」というのは和漢問わず、実在の人物、神話伝説の人物、幽霊、怪物、動物、あるいは歴史上の出来事や盆踊りといった風俗、火事場など生活上の話題まで、いろいろなものをテーマにして、その中に月を織り込んだ、非常に叙情的なシリーズものですね。

本展覧会ではその「月百姿」のうち50枚が展示されています。残り50枚は2012年4月9日(月)~28日(土)の会期でおこなわれる『芳年展(後期)』で見られるらしい。
つまり前後期あわせて「月百姿」全てが拝めるという趣向です。100枚全てを見られるとは、何とも実にすばらしい展覧会ではありませんか。

今回展示分でとりわけ印象的だったのは「垣間見の月 かほよ」という絵です。かほよが着ている着物のピンク色の布地部分の柄が実に美しい。

「月百姿」以外にも数点展示されています。その中で印象に残ったのは「一魁随筆」というシリーズの1枚「山姥 怪童丸」。つまり足柄山の金太郎とその母親。しかしその2人の図像はどう見ても西洋画。これは聖母子像を引用したものなんですかね。

とにかく後期も楽しみでしょうがない本展覧会。急いで見に行け!



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