『渋谷英一展 -陶 モノクローム モノローグ-』
2012年9月15日東京エリアぐるり美術館巡りの旅その2。
出光美術館で白磁と白天目を堪能した後は、LIXIL ギャラリーへ移動。ここのガレリアセラミカにおいて、2012年9月6日(木)~10月4日(木)の会期でおこなわれている標記展覧会を観ました。
展示作品は5点。いずれも同一テーマによるもので、名称は「黒彩器」。
上半分が黒、下半分が白、その境界が美しいグラデーションを描いている。
釉薬は艶を抑えたもので、遠目には素焼きにも見えそうな、非常に細かい目ながらもザラザラした質感を感じさせ、実に触りたい欲を掻きたてるテクスチャー。
オブジェなのか花生けなのか、どちらともとれそうな、作り手としてはどっちでも構わないと思っていそうな佇まいの器。
一番奥に展示されているものは、まるで富士山を逆さまにしたような美しいフォルム。これを花生けにして、あらゆる色を網羅した花々を活けたら、土台のモノクロームと花々カラフルのコントラストが非常に美しいだろうなぁ、と想像するだけでウットリしそうな器でした。
この渋谷英一という方は萩焼の陶芸家で家業が窯元なんだとか。
ザッとググってみたところ、御台場窯という窯元らしい。
- ODAIBA GAMA-Kiln/御台場窯、EIICHI SHIBUYA/渋谷英一(真心堂 Facebook)
また、萩焼の通販ショップで、この方が作った焼き物が売られているのも発見。
- 萩の次世代 渋谷英一(萩焼・うつわ 彩陶庵 オンラインショップ)
商品は、本展で展示されているものの作風とはうって変わって、艶々とした真っ白い藁灰釉をたっぷりと厚手にかけたものが多いです。その釉薬が塗りもれしているかのようなひび割れが走っていますが、とにかく釉薬が厚塗りなので、そのひび割れがまるで雪の合間に走るクレバスから地面が見えているかのようで、こちらの作風もなかなか面白いです。
ひびの形状もカオス、フラクタル萌えとしてはけっこうそそる。うーん手にとってじっくり眺めたい。
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