[iPhone アプリ] CIRCULL

2011 / 12 / 22 by
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おまえらM.C. エッシャーは好きですか。私は大好きです。
エッシャーというと平面分割と不可能立体が二本柱という印象ですが、今回ご紹介する iPhone アプリ "CIRCULL" はエッシャーの平面分割にインスパイアされたパズルゲームです。
実際の見栄えや操作方法などは、百聞は一見に如かず、AppSpy.com による紹介動画↓を見てくだされ。

開発元による公式ティーザー↓もありますが、プロトタイプなのか見栄えも挙動も実際のアプリとはけっこう違います。

このアプリの萌えポイントは、何といってもそのピースの充填方法。

そのピースは、中心部ほど大きく、周縁部に近づくにつれて小さくなります。そして全体として円を構成する。皆さんあまり馴染みがない平面分割なんじゃないでしょうか。
これは双曲幾何学におけるポアンカレ・ディスク・モデルという概念に基づいたもので、ユークリッド幾何学に基づいた、全体として矩形状になる平面分割とはまったく異なるものです。

エッシャーはポアンカレ・ディスク・モデルを使って "Circle Limit" というシリーズの作品を残しています。
これはH.S.M. コクセターという数学者との出会いによって生まれたものとのこと。↓の動画は、そのあたりの経緯も含めてポアンカレ・ディスク・モデルついて語るコクセター本人です。

Circle Limit シリーズは、基本的に左右対称のピースで平面分割されています。
しかしこの CIRCULL は一味違いますよ。そこがもうひとつの萌えポイント。
動物をモチーフとしたピースによって平面分割されています。ピースの形状は単一に見えますが、どうも2種類あるっぽい。ピースは左右非対称なので、それぞれあちらこちら別々の方角を向いていながらも隙間なく平面を埋める、というものですが、これはエッシャー作品の中の「2つの異なるモチーフを使った正則平面分割」の系譜ですね。
2種類のピースってことからペンローズタイルも想起させます、というのは言い過ぎでしょうか。

つまりエッシャーの作品のバックグランドとなっている数学的概念を2つ共存させているのです。

で、次はパズルゲームとしての側面。
実際にプレイしてみて、かなりユーザフレンドリーであるということを感じました。てゆーかむしろ甘々。
長時間ピースが見つからないで、まごまごしていると、クリックすべきピースが光ります。
ハードゲーマーには歯応えがないと感じられるかも知れませんが、ヘボい私としては、そんな補助が実に嬉しい。
あと、けっこうどのピースが隣り合っているのか分りづらいんですが、そんなときはグリッド表示をすればオッケー。
連鎖ももちろんありますよ。連鎖が決まるとチョー気持ちいい。

ポアンカレ・ディスク・モデルで正則平面分割という、エッシャー作品群の2つのエッセンスを融合した美しいルックス。そして、消し物パズルとしての高い中毒性。
それらが相まった個人的には超ハマったパズルゲームでした。

値段170円(2011/12/21 現在)。



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