カラフル

2010 / 09 / 06 by
Filed under: 映画日記 
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何気にネタバレしてるっぽいんで、まだ観てない人は読まない方が無難です。

ラスト、主人公が気づいた自らの罪の内容ですが、ちょっと気づき方が唐突じゃあないですかねぇ。
なんじゃそりゃー!! って心の中で絶叫しましたよ。

冒頭で主人公の言葉が音声ではなく字幕だったとか、スケッチブックの場所とか、実際に絵が巧かったとか、屋上に上がる前にメガネに指摘されたとかありましたが、あれを伏線とまで呼んでいいものか疑念これあり。

それにそもそも、CM で流しまくってる「僕は殺人を犯したんだね」とそれに続く核心のセリフが連続しているというのは詭弁だと思うんですよ。
殺人という言葉における「人」というのは、生物学的な「ヒト」を意味するのではなく、観念的というか哲学的というか思弁的というか、そういった文脈で語られる「人」であり、つまり他人という意味に限定されるんじゃないですかねぇ。

ところで、お母さんの心が完全に壊れてしまったように見えたんですが、どうなったんですか。
それと、「私は死なないよ」の援交女は実は自殺してるんですか、どうなんですか。
あと、見終えて考え直してみると、真の再生もテーマかもしれませんが、それに伴う家族再生も重要なテーマだと見受けられたんですが、実際んとこそのあたり放りっぱなしじゃありません? 等々々。

何かモヤモヤしている点が多くて、いまいち観後感がスッキリしないっす。
まぁ「察し」は日本人の美学のひとつではあるけれど、察するための材料がキッチリ提供されてないような。
河童のクゥと夏休み」は実に感動的な作品だったんですが、今回はずいぶん肩すかしを食らった気分。

それはともかく、背景画。これについてはぜひとも言及せずばなるまい。
ときどき、まるで写真のような精密な背景が挿入されています。それが果たしてアニメ映画として良い方に効果的なのか否か、ちょっと私には図りかねますが、たとえ劇場用映画とはいえ、あの手間のかけ方は尋常じゃない。ここまでやるのは驚愕の一言。

まぁそんな過剰な背景画はさておきますが、そうでない背景画ですよ心に刻まれたのは。
いずれの景色も、単なる実物の写しにとどまらない、何とも言えない抒情性を湛えていて、実に素晴らしいと思いました。

しかしプラプラの小林家家族情報は、客観的な事実ではなく、真の主観を述べていたんだなぁ。ま、そりゃそうだよなぁ。
それにしても兄さん、同性の、しかも年下の同胞にツンデレるにも程がある。



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