REDLINE

2010 / 10 / 14 by
Filed under: 映画日記 
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一言で評すなら「画力がもったいないアニメ」ってところでしょう。

すべて手書き、CGなしという魂こもった作画と、腹に響くBGMの重低音やファンキーな歌はもの凄くイイ。特にキャラソンの「彼のシフトはブブンブン」はサイコー! このためだけにサントラCD欲しいマジで。

でもそれを上回るダメ要素満載でかなり萎える。

ここまでアメコミだと、日本じゃ敬遠されるっしょ。の割には何か話が浪花節で、それアメリカでウケるの? という疑問が湧いてくる。これマーケットはアメリカなんだよね? 日本には逆輸入的な感じで公開したんだよね?

この映画の本質であるレースシーンはキモチイイ。特に最初のイエローラインはメチャクチャかっこいい。でもメインのレース、レッドラインはちょっとなぁ。
これは作画や演出に問題があるんじゃなくて、シナリオが致命的。なんでもライターが三人いて、それぞれがアイディアを持ち寄ってゴニョゴニョしたとか。「三人寄れば文殊の知恵」という諺がありますが、一方で「船頭多くして船山に登る」という諺もあります。この映画のシナリオは典型的な後者。

そもそもレースのアニメなんだからさー、レーシングマシンやレーサーのキャラを立たせて、全部に見せ場作らないとダメでしょうが(「チキチキマシン猛レース」知ってる世代でしょ?)。
妨害者であるロボワールド軍隊は咬ませ犬でいいんだよ、戦国無双や三国無双のモブみたいに宙を舞ってればいいじゃん。
何で巨神兵のパクリ(ファンキーボーイ)とか、それを排除するための融合生物兵器とか投入して怪獣プロレスしちゃうの?

あとラスト、レースの勝負のつけ方も、ちょっと考えるべき。
通常のエンジンでは1レースで加速2回が限界ってところをこのレースでは3回できるように大改造したわけです。でも実際のところ起爆材は4発目があったんだから、4回加速しろよ。
3回加速しても抜けない→万策尽きて諦めかけたところに思いも寄らない4回目の加速→でもマシンが限界を超えて空中分解→車から投げ出されたまま奇跡のゴール、ってのがドラマチックな展開というものではないですかね。

あと声がなぁ……
蒼井優は良かった。「鉄コン筋クリート」でも刮目させてもらったけど、これもすげー巧い。
それ以外の声優じゃないキャストは滑舌が悪い人が多くてよく聞き取れない。
ただ、これは滑舌が悪いのだけが理由じゃなくて、音響のバランスが悪いのかも。石塚運昇や郷里大輔といった面々の声も聞き取りづらい部分が多々あったから、声と効果音や音楽などのトラック間のバランスが悪いんだろう。音響監督が素人なのかもしれん。

そんなワケでかなり残念なアニメ映画だったんだけど、冒頭の何十分かのレースシーンはすごく気持ちいい。このビジュアル的な迫力と、ボディソニックな音響のすばらしさは映画館の大画面だからこその黄金体験。さんざんこき下ろしたけど、実はこの映画キライじゃないです。

そうそう。ボインカーというレーシングカーが巨大人型ロボットに変形して、法力を使って敵メカを破壊するんだけど、そのときのロボットの手つきが超エロい。これも見所。



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