Gingerbreadman Map

2011 / 04 / 02 by
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生姜パン男! って何だよ? これもカオス写像のひとつです。それを描く漸化式は以下のようになります。


xn+1 = 1 - yn + |xn|
yn+1 = xn

見てのとおりとてもシンプルな式です。
そして今まで見てきた写像と決定的に異なる点がひとつあります。それはパラメータを持たない、ということ。

でもそれだと面白味に欠けるので、X座標計算をする要素 xn の絶対値に乗算するパラメータをひとつ設定して、以下の漸化式でコーディングしてみました。


xn+1 = 1 - yn + |xn| * a
yn+1 = xn

で、その結果が↓

GingerBreadMan – wonderfl build flash online

以下この写像についての解説をいくつか。

命名由来

なんでも西洋にはジンジャークッキーという菓子があるんだとか。で、そのクッキーの形状モチーフとして最も多く用いられるのが、人、あるいは子どもの形で、そのような形状のものをジンジャーブレッドマンと呼ぶという。この写像の形状が、そのクッキーの形状と似ていることから、その名がつけられたそうな。
いろいろとネット空間を漁ってみると、西洋では、その焼き菓子が人格を持ってドタバタを引き起こす絵本がかなり多くあるようで、このジンジャーブレッドマンも幻想世界の住人と捉えることができるようです。
前回見たティンカーベル写像といい、このジンジャーブレッドマン写像といい、メルヒェンです喃。

参考:ジンジャークッキー(wikipedia jp)、Gingerbread man(wikipedia en)

考案者

Wolfram Math World の当該項目ページにあるリファレンスや、以前、Gumowski-Mira Attractor を学習する際にも参考にした「Scalaで描く力学系の世界」に掲載されているスライドの46枚目によると、このジンジャーブレッドマン写像は Robert L. Devaney という人によるものだそうで、"The Science of Fractal Images"(邦訳「フラクタルイメージ―理論とプログラミング」)という本の§3.2.3 "A Chaotic Gingerbreadman" という章で読むことができるらしい。
ちなみに R. L. Devaney の論文等著述一覧はこれのもよう。

漸化式の初期値

今まで見てきたカオスの写像その漸化式において、初期値がどのような値でも、その描く図形はほとんど同じようなものに収束していましたが、このジンジャーブレッドマン写像は、初期値によって大きく異なります。
そしてその初期値は11個の座標値であると Chaos Ginger Bread Man Using MS Excel には書かれています。

胸部の六角形の穴

この写像には幾つか六角形の穴が開いていますが、人と見立てたとき、その胸部にあたる部分にある六角形の各頂点の座標は (0,0)、(1,0)、(2,1)、(2,2)、(1,2)、(0,1) になると、Wolfram Math World の当該項目ページに書いてあります。
またその図解が Chaos Ginger Bread Man Using MS Excel に示されています。



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