真・蜘蛛のフラクタル
真・蜘蛛のフラクタル – wonderfl build flash online
本記事は、こないだ投稿した「蜘蛛のフラクタル」の補遺になります。
「コンピュータ・ワンダーランド―驚異と悦楽の電脳迷路」の P116 から「蜘蛛のフラクタル」についての説明が始まり、その図が P115 と P116 に掲載されています。二つの図は漸化式の発散による色分けが異なるだけで、同じ図です。
説明の中に、次のような一文がありました。
初期値を z = 0 でなく z = c として反復を始め、(以下略)
このあたりの文章が、ちょっと捉らえづらかったんですが、私は z の初期値を c とした結果が、本に掲載されている図と読み解きました。
しかしコードに落としてみたところ、z0 = c とした場合は、書籍に掲載されている図のようにはならず、もっとひしゃげたものになったんです。
何かヘンだなぁと釈然としないまま、z の初期値を 0 + 0i として wonderfl には投稿しました。
「コンピュータ・ワンダーランド―驚異と悦楽の電脳迷路」の説明には続きがあって、P118 には次のように書かれています。
私は蜘蛛のフラクタルを、ウェグナーとピーターソンの『フラクタルを作る』で知ったが、その中で彼らは、その生成式はリー・スキナーが考案したものだと書いている。
そして章の終わりに参考文献として、その『フラクタルを作る』についての記載がありました(P125)。
Wegner, T., Peterson, M. (1991) Fractal creations. Waite Group Press:California.
Amazon で検索したところ、当該書籍を発見。取り扱い古書店が日本国内で価格が851円と安かったので、じゃあ実際に原典に当たってみるか、と買ったのが、今日届いたんですわ。早速その本をペラペラめくってみると P244 に目当ての記事がありました。そして愕然!
典拠であるところの "Fractal Creations" に掲載されている図は、先日コード化して、「コンピュータ・ワンダーランド―驚異と悦楽の電脳迷路」にある図のようにならなかったので釈然としなかった、あのひしゃげたもの!
ピックオーバー先生! 全然違うじゃないですか!
ってゆうか、私がピックオーバー先生の文章を読み違えていたわけですね。とほほ。
そんなわけで原典に忠実な「蜘蛛のフラクタル」をあらためて wonderfl に投稿したのが冒頭のもの。z の初期値を 0 + 0i でなく c にする、ということなので、マンデルブロ集合版しか存在しません。
ところでこの "Fractal Creations" って本何か良さげ。ざっと見たところ、後半半分以上はいろいろなフラクタルのカタログです。網羅・分類・掲載して、そのフラクタルを描くための公式もキッチリ書いてあるもよう。
この本一冊で、今後もいろいろなフラクタルが試せそうで楽しみです。
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