アルベロス(靴屋のナイフ)
幾何学に「アルベロス」と呼ばれるものがあります。ギリシア語で「靴屋のナイフ」という意味だそうで、はるか昔、古代ギリシアの数学者アルキメデスも研究していたとう、かなり歴史のあるものとのこと。
その形状は3つの半円から成り、以下のような形状をしています。黒い部分がアルベロスで、古代ギリシアの靴屋が使っていたナイフに似ていることから名づけられたそうです。
さて、このアルベロス、古くから知られているものだけあって、いろいろな研究がなされており、以下のようなトピックスがあるとのこと(「アルベロス 3つの半円がつくる幾何宇宙(岩波科学ライブラリー)」より)。
- アルキメデスによる「双子の円」
- ヤーコプ・シュタイナーによる「シュタイナーの定理」
- M.G.ガバによる「ガバの定理」
- レオン・バンコフによる「バンコフの円」
- トーマス・ショホによる「ショホの円」やピーター・ウーによる「ウーの円」等々々
しかし、面積が等しいだとか、証明がエレガントだとか、そういうことに私は興味ありません。
いかに美しいビジュアルを持っているのか、という点にしか見向きもしない耽美主義者のワタクシといたしましては、アルベロスにおける、たったひとつのトピックスだけに着目します。
それは、アルキメデスから約半世紀後、アレクサンドリアのパッポスという数学者がアルベロスについて研究した中にある「パッポスの円鎖(円列)」あるいは「パップス・チェーン」と呼ばれるものです。
なお、この数学者の名前はラテン語読みのパップスで一般には通ってるそうな。
そんなわけで次回、そのパップス・チェーンについて見てみます。
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