『ボストン美術館 日本美術の至宝』

2012 / 03 / 21 by
Filed under: 展覧会日記 
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『ボストン美術館 日本美術の至宝』

『ボストン美術館 日本美術の至宝』

東京国立博物館創設140周年記念だとかで、とんでもなく凄い展覧会が始まりました。
その素晴らし過ぎる標記展覧会の初日、2012年3月20日(火)に東京国立博物館へ行ってきました。

10時40分ごろ会場入りしたんですが、初日にも関わらず、なのか、初日だから、なのか、かなりの盛況ぶり。聞けば開館前(開館時間は9時半)にすでに750人も並んでいたんだとか。すげー。

日本に残っていれば国宝級の作品が一堂に会す、ということなのでムリもないですね。
実際問題、展示物が大充実で素晴らしい、としか言いようがない。

「海外に大量流出した日本国宝」という風に考えると、日本人として忸怩たる思いがないでもない。が、でもこれらが日本に残っていたら、はたしてこれだけ良い状態で残っただろうか、という心許なさも感じないでもない。
作品それ自体にとっては外国に渡って幸せだったのかもしれないなぁ、と、ちょっとやりきれない感傷を抱かされもした展覧会でした。

  • プロローグ コレクションのはじまり
  • 第1章 仏のかたち 神のすがた
  • 第2章 海を渡った二大絵巻
  • 第3章 静寂と輝き―中世水墨画と初期狩野派
  • 第4章 華ひらく近世絵画
  • 第5章 奇才 曽我蕭白
  • 第6章 アメリカ人を魅了した日本のわざ-刀剣と染織

出品リストによる本展覧会の構成は以下のとおりですが、実際の展示構成は、第3章と第4章の間に第6章が挟まるというものでした。
この展覧会は巡回展ですが、第6章はこの会場のみとのこと。
以下印象に残った作品について徒然なるままに。

第1章

No.8 「普賢延命菩薩像」 平安時代・12世紀中頃
普賢菩薩の乗騎は六牙の白象。ですが、この絵の白象は頭が3つあり、それぞれの頭が六牙を持っているという姿。そんな乗騎始めて見ましたよ。
このページの上から2番目の絵。

No.14 「弥勒菩薩三尊像」 鎌倉時代・13世紀前半
台座の青が鮮やかで実に印象的。

第2章

No.27 「平治物語絵巻 三条殿夜討巻」 鎌倉時代・13世紀後半
「ドキュメンタリーのような」と説明書きにありましたが、わめき声、叫び声、悲鳴などが聞こえてきそうなくらい、真に迫る絵でした。武者の蝟集するさまに圧倒されます。
このページの下の方でスクロールする絵巻が見られます。

第3章

No.36 「白衣観音図(狩野元信筆)」 室町時代・16世紀前半
No.14 同様、鮮やかな青が印象的。この絵では髪飾りに青が使われています。

第4章

No.47 「鷙鳥図屏風(曽我二直庵筆)」 江戸時代・17世紀
屏風全面を占めるほど巨大に描かれた鷲の大迫力に息を呑みます。

No.55 「松島図屏風(尾形光琳筆)」 江戸時代・18世紀前半
色味・構図と、今回展示されていた作品で一番好みだった絵。
このページの下から2番目の絵。

第5章

No.63 「鷹図(曽我蕭白筆)」 江戸時代・18世紀後半
これも No.47 同様、大きく描かれた鷹が大迫力。

No.62 「雲龍図(曽我蕭白筆)」 江戸時代・宝暦13年(1763)
トリを飾るに相応しい力強く巨大な龍の絵。その大きさは8枚の襖でも収まらない巨大さ。
その顔を描くのに2枚を費やされています。圧巻。しかもこの他にも胴体が描かれた何枚かの襖の存在が推測されているという。たしかにバランスがおかしい。
どんだけ巨大なのか。そのスケールには圧倒の一言。
龍の周囲に渦巻く、重く垂れこめた黒雲が墨の滲みで表現されているんですが、それもまた美しい。
このページの一番上が顔の部分、次に全貌が掲載されています。

曽我蕭白は上記2つに限らず、どれをとっても面白い絵でした。
千葉市美術館曽我蕭白展も楽しみですね。
「蕭白ショック!!」なんて厨二病全開のイタいタイトルは、聞いているこっちが恥ずかしくていたたまれなくダサさだけど。

当会場での会期は2012年3月20日(火)~6月10日(日)ですが、その後、前述のように各地を巡回します。
詳細は特別展 ボストン美術館 日本美術の至宝にて。



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