『ねこ・猫・ネコ』
2014年4月24日(木)、渋谷区松濤美術館で標記展覧会を観ました。
会期は2014年4月5日(土)~5月18日(日)。
美術として表現された猫にまみれて、猫の愛くるしさに身悶えしよう! というコンセプトの展覧会だと思うんですが、ならば、これは外せない、という作品が三つあると思うんですよ。
まず、歌川国芳の猫を扱った絵画群。
図録にはこうありました。
国芳をテーマとした展覧会は近年頻繁に開かれており、国芳の猫ものも目にする機会が多いため、あえて外したのである、と。
そういったキュレーション哲学であるならば、納得しました。
次に、竹内栖鳳《班猫》。
これは重要文化財であるため、1年間に展示できる日数が限られている、ということなので、まぁ仕方ないかなぁ、とは思います。
しかし三つめは譲れない。
なぜこれを招かないのか、猫に癒されるならコレを見ずに何を見るのか、という作品が欠けています。
それは、長谷川潾二郎《猫》。
宮城県美術館の所蔵品とのことですが、門外不出とか制約があるんですかね。なぜコレが展示されないのか。そのキュレーション意図をぜひとも聞きたいものです。
この展覧会における不満はふたつ。
ひとつめは展示作品を主役、脇役、端役と捉えたとき、まず主役が不在ということ。
あえて脇役、端役にスポットライトを当てるということをコンセプトとした展覧会ではないですもんね。
ふたつめは観覧料の割に点数が少ないということ。
観覧料がリニューアル前のように300円であるとか、あるいは500円程度ならともかく、1,000円でこれはちょっとなぁ…… と感じました。少なくとも平面部門は。
とは言え、立体部門はなかなか萌える。
朝倉文夫作品がやはり良い。朝倉彫塑館の所蔵品が4点展示されていましたが、特に鼠を捉えた瞬間を活写した《よく獲たり》がイイですね。
上ではちょっと貶しましたが平面作品にも心躍る作品がありました。
まず第7章「中国・朝鮮の猫」で展示されていた劉奎齢《斑猫》。リアリズム墨絵のブチ猫はまるで写真のよう。その美麗さには息を呑む想い。
そして第3章「眠る猫」で展示されていた合田佐和子《エゴの木の上で》。柔らか~な感じに描かれた白黒斑猫の眠る姿が実に可愛らしい。
最後に補足情報。
横須賀美術館の収蔵品である猪熊弦一郎《三人の娘》が展示されていました。
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