『江戸へようこそ! 浮世絵に描かれた子どもたち』

2014 / 07 / 28 by
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『江戸へようこそ! 浮世絵に描かれた子どもたち』

『江戸へようこそ! 浮世絵に描かれた子どもたち』

2014年7月26日(土)、千葉市立美術館で標記展覧会鑑賞。

本展覧会は公文教育研究会が所蔵する作品を主に構成されています。
会期は2014年7月8日(火)~ 8月31日(日)ですが、前期は8月3日(日)まで、後期は8月5日(火)からと2期に分かれており、割と大きな展示替えがあるとのこと。

あまり興味ないテーマゆえ、通常ならスルーするところですが、Twitter の TL で《百鬼夜行絵巻》が展示されるという情報を得たのです。
なぜ子どもがテーマの展覧会で《百鬼夜行絵巻》が? と気になって、千葉市美術館ウェブサイトの当該ページへ行ったらば、出品リストが掲載されてまして、それを見ると「第6章 子どもの好きなお話」というコーナーで「妖怪」の文字がたくさん踊っているじゃあありませんか。
だったら、千葉県立中央美術館『もののけ来たぞ! 第2部 浮世絵のもののけ』(会期:2014年6月28日(土)~7月27日(日))と併せて観ようかい、と訪れた次第。

第1~5章までのレポは、子どもの微笑ましい姿を見ていると心が和みますねぇ、と雑に一括りで済ませて、妖怪クラスタ的には第6章に集中します。

まず金太郎を糸口に(喜多川歌麿《山姥と金太郎》等)、源頼光と四天王ものにつながります。歌川国芳《大江山酒呑童子》、歌川芳艶《破奇術頼光袴垂為搦》、作者不詳《酒呑童子絵巻》などが展示。

次は牛若弁慶。天狗が数に頼んで弁慶を寄ってたかってボコる、歌川国芳《武蔵坊弁慶降伏之図》などが展示。

あとはランダムに、歌川芳員《新板化物づくし》、作者不詳《百鬼夜行絵巻》、竹原春泉『絵本百物語(桃山人夜話)』、歌川芳盛《昔噺舌切雀》、作者不詳《木幡狐》などなど。

とりわけ、珍しい、見慣れないってわけでもありませんが、もうこれは妖怪系展覧会といって差し支えないラインナップではなかろうか。
後期も、歌川芳虎《庚申山の妖怪》他、妖怪系作品が展示されるようなので、それも行ってみようかな、と感じた次第。
千葉県立中央美術館『もののけ来たぞ! 第3部 近世博物学の中のもののけ』(会期:2014年9月6日(土)~9月23日(火))とまったく日程が合っていないのが痛いところ。

なお、展示の終わりに、絵本を自由に読めるコーナーがあって、そこにも妖怪系があったことをご報告します。
杉山亮(話)/軽部武宏(絵)「杉山亮のおばけ話絵本 壱 のっぺらぼう」という絵本。絵が味わい深くて良いねぇ、と思っていたら「怪談えほん(5) ちょうつがい きいきい」の絵の人か。


ところで、本展に引き続き『スモールワールド』という常設展を見ることができます。その展示物で、妖怪ネタにこじつけられなくもない作品がありましたんで、併せてご報告。

去年、横須賀美術館で『日本の「妖怪」を追え! 北斎、国芳、芋銭、水木しげるから現代アートまで』という展覧会が開催され、フジイフランソワ《ここに居ぬ》という、白澤化した三匹の仔犬が戯れている絵が展示されました。

その元ネタである長澤蘆雪・曽道怡《花鳥蟲獣図巻》が展示されています。しかも開かれている場面は、まさにその元ネタの部分でした。

 長澤蘆雪・曽道怡《花鳥蟲獣図巻》(千葉市美術館蔵)

長澤蘆雪・曽道怡《花鳥蟲獣図巻》(千葉市美術館蔵)



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