『暗がりのあかり チェコ写真の現在』
この際ハッキリさせておこうと思う。
芸術写真はモノクロのゼラチンシルバーに限る!
平成22年6月19日(土)~8月8日(日)まで資生堂ギャラリーで開催されている標記展覧会を見て、改めてそう強く感じました。
てなワケで『ハンス・コパー展』の次はこれのレポ。
印画紙にプリントされた画像のザラザラした粒子感はやはり心に響きますよね。デジタル写真をインクジェットプリンタで出力したものには、あの趣はどうしても出せん。
しかし平凡な被写体をカラーで撮ってもただ単に平凡なだけなのに、なぜモノクロで撮ると途端に美しく感じるんだろう。
でもそれはモノクロの魅力であるかも知れないけれど、むしろ難点と呼ぶべきもの。妥協を生みやすくしてしまうし、迂闊な被写体を選ぶと撮影者の底が割れてしまう。
そのようなことを考えながら見ていたんですが、とりわけ印象深かったのはトノ・スタノとテレザ・ヴルチュコヴァーの写真。
トノ・スタノは光と陰のコントラストが実に印象的です。黒がとても美しい。とりわけインパクトが強かったのは “Sense” という作品。この白と黒のコントラストの鮮烈さはどう表現したらよいのか。その眩いばかりの美しさには溜息をつく以外なすすべなし。
テレザ・ヴルチュコヴァーの作品はカラー写真ですが、風景をそのまま写したものではありません。
雪景色や大木の根方など、森の奥深くを思わせる雰囲気をたたえた風景。そしてその場に立つ双子の神秘性。非日常的で幻想的な作品群です。現代的な装束にも関わらず太古の神話を思い起こさせます。
ところでこの双子の写真。全部が全部本物の双子ではなく、中に、CGによって複製された虚構の双子が混じっているらしい。
会場には4枚写真があったけど、どれが本物でどれがCGだったのかなぁ。全部CGに見えたけど(すいませんボンクラで)。
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