『印象派を超えて ―点描の画家たち』

2013 / 11 / 19 by
Filed under: 展覧会日記 
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『印象派を超えて ―点描の画家たち』

『印象派を超えて ―点描の画家たち』

2013年11月14日(木)、国立新美術館で標記展覧会を観ました。

点描萌えのワタクシとしては、本展覧会がアナウンスされたときから、すっごい楽しみだったんですよねー。
「点描」をテーマにしたとき、どんな画家のどんな作品が展示されるのか、興味津々でした。

んで実際に鑑賞して思ったことは、「点描の画家たち」ってのは、ちょっとピンぼけなタイトルじゃないですかねぇ。

内容としては、筆触分割進化論とでも言いますか。印象派に始まる筆触分割技法の変遷の果てを構成主義に求めたもの。
英語タイトル “divisionism” そのままに「分割主義の系譜」とでもした方が、展覧会のコンセプトに沿ったものだったんじゃないですかねぇ
まぁ分割主義よりも点描の方が通りがよいとは思いますが、「点描」という言葉でモンドリアンまで括るのは(しかも展示作品が《コンポジション》)、ちょっと強引ではないでしょうか。でも目のつけどころとしては、なかなか興味深いものだと感じました。

まぁ、それはともかく点描萌えのワタクシとしては、かなり心ときめく作品群に出会うことができ、とても嬉しい展覧会でした。
スーラとシニャックがてんこ盛りの第2章「スーラとシニャック ―分割主義の誕生と展開」も見逃せませんが、第4章「ベルギーとオランダの分割主義」で展示されている作品に萌えまくり。
本展はオランダのクレラー・ミュラー美術館所蔵品を主に組み立てられたものだそうですが、なかなか興味深い作品を収蔵していますねクレラー・ミュラー美術館というのは。

本展のオレ的注目画家はヨハン・トルン・プリッカーレオ・ヘステルの二人。

そして今日の一枚はレオ・ヘステル《逆行の中の裸婦》。これには眼も心も惹きつけられました。実に魅力的な絵です。

また、象徴主義的幻想絵画の描き手ヤン・トーロップの作品が大充実していたことも非常に喜ばしい。
ヤン・トーロップというと《宿命論》という絵がありまして、水木しげるマンガ「死女の手」の表紙の元ネタなんですよねー。

水木しげる「死女の手」表紙

水木しげる「死女の手」表紙

その《宿命論》はクレラー・ミュラー美術館の所蔵品らしい。本展の趣旨から外れるでしょうけど、ぜひ出品されて欲しかったところ。だって本展の趣旨と合致しているとは言い難い、同じヤン・トーロップによる《オルガンの音色》なんかも出品されてたんですからねぇ。

展示されて欲しかったヤン・トーロップ作品と言えば、《三人の花嫁》もクレラー・ミュラー美術館の所蔵品だそうで、これもぜひ見たかった。



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