『浮世絵 Floating World -珠玉の斎藤コレクション(第2期)』
三菱一号館美術館で3か月に渡る標記展覧会の第2期を、2013年8月3日(土)に観てきました。
第2期の会期は2013年7月17日(水)~8月11日(日)。「北斎・広重の登場 ―ツーリズムの発展」というサブタイトルで、葛飾北斎と初代歌川広重のふたりをフィーチャーリング、浮世絵のジャンルのうち、旅や風景について扱った作品をメインに展示しています。
まず、颯爽と登場するは葛飾北斎!
北斎は美人画、武者絵、風景画、黄表紙挿絵などなど、ありとあらゆるジャンルで一級の仕事を成した絵師であり、《冨嶽三十六景》や《諸国名橋奇覧》、《諸国瀧廻り》、あるいは展示はされていませんでしたが《千繪の海》など、日本各地の風景や風俗を活写した浮世絵を数多く残しています。
そんな北斎の作品の、本展での見どころといえば、やはり《琉球八景》なんじゃないでしょうか(絵が綺麗なのはこっち)。
斎藤コレクションは1枚欠品だそうで、その点が惜しいですが、珍しいものを見せていただきました。
あと、北斎の見どころというと、波の表現の変遷ですかね。
《賀奈川沖本杢之図》(享和期、1801~04)と《冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏》(文政末期、1830)の2枚が並んで配置されており、もっこりとした山のような表現の波と、おなじみの躍動的な迫力ある表現の波が、同時に観られます。
どんだけ~ってくらい違い過ぎなビフォアー・アフター。波の伊八こと武志伊八郎信由の観察力・表現力の神懸かりっぷりがヒシヒシと伝わってきますね。
なお《富嶽百景 二編から「海上の不二」》(天保6年、1835)もすぐそばに展示されていて、これまたダイナミックな波が鑑賞できます。
ところで賛否両論の西洋画併置ですが、北斎の波にちなんで、アンリ=ギュスターブ・ジョソという人の《波》という作品が並んでいました。こういう分かりやすい作品を並べるべきだと思います。
さて、続くは初代歌川広重。
その代表作はもちろん、旅をテーマにした浮世絵というと誰でもが最初に思い浮かべる《東海道五拾三次》。
全点展示ではありませんでしたが、かなりまとまった数が展示されていて圧巻です。
広重だと、これまた超有名どころ、花鳥浮世絵の名品《月に雁》も展示されていました。
《月に雁》と言えば、2013年8月31日(土)~9月26日(木)の会期で催される、太田記念美術館の『歌川広重「月に雁」 ―花鳥風月の美』も気になるところ。
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