『フェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展』
2011年4月11日(月)は Bunkamura ザ・ミュージアムで標記展覧会を見てきました。
お目当てはもちろん、今回の冠油彩画である→。
17世紀オランダの画家フェルメールが描く現代アメリカの俳優リチャード・ギアですよ(現代日本の政治家小泉純一郎でも可)。
この時空を無視した豪華競演に我々はどのような感慨を抱けばよいというのか!
などという、つまらんボケは措いといて。
それにしてもリチャード・ギア(小泉純一郎でも可)にソックリなこの人は、顕微鏡の発明者レーウェンフックなんだとか。
地理学者が手をかけている、太陽の光を受けて眩しいくらいに真っ白になっている紙。
その手前に置かれた、暗い影になっている豪奢なゴブラン織りの布。
この光と陰のコントラストが良いなぁと思いました。
それ以外の絵で気になったものを列挙すると……
画面左上にあると思われる明かり取り窓から、画面右下の床と壁に差す光の明るさが実に印象的な、ピーテル・ヤンセンス・エーリンハの「画家と読み物をする女性、掃除をする召使いのいる室内」。闇に包まれた部屋の中に、蝋燭の灯りに照らされて浮かび上がる女性。この明暗の対比が実に良い、ヘリット・ダウの「夕食の食卓を片づける女性」。
遠近法の消失点にその画面の唯一の光源である月を配置した、でも、月自体は船で隠れているため、画面全体は翳っていて暗い。そのさまが何とも幻想的なアールト・ファン・デル・ネールの「漁船のある夜の運河」。今まさに切ったばかりのようなメロンのみずみずしさが素晴らしい、コルネリス・デ・ヘームの「庭の欄干の前の野菜や果物のある静物」。
このあたりが特に印象に残っています。あと、細密画の細かさには目を瞠らされた。
ところで1670~80頃に描かれた絵として、ヤーコプ・ファン・ロイスダール「街灯のあるハールレムの冬」という絵がありました。
薪なのか油なのか知りませんが、この当時もう既に街灯ってあったんですねぇ。
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