『北斎と暁斎 ―奇想の漫画』

2013 / 05 / 07 by
Filed under: 展覧会日記 
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『北斎と暁斎 ―奇想の漫画』

『北斎と暁斎 ―奇想の漫画』

2013年5月3日(金)は太田記念美術館で標記展覧会を観ました。
会期は、2013年4月27日(土)~6月26日(水)で、うち前期が4月27日(土)~5月26日(日)が、後期が5月31日(金)~6月26日(水)の2期構成です。

江戸の天才絵師「葛飾北斎」、幕末の天才絵師「河鍋暁斎」。このふたりの幅広い画業の中でも、本展では絵本に着目しています。北斎は「北斎漫画」、暁斎は「暁斎漫画」「暁斎酔画」「暁斎鈍画」といった絵本を描いていますが、そういった絵本を始め、いろいろな作品から、描写力とユーモアの側面について見てみよう、というのがこの展覧会の趣旨とのこと。

基本的に、太田記念美術館と河鍋暁斎記念美術館が所蔵する作品で構成されています。本家本元の河鍋暁斎記念美術館による全面バックアップですから、これはもう期待に胸膨らむわけですよ。
最初の畳張りの肉筆コーナーに暁斎「風神雷神図」という掛軸が展示されているんですが、これでもうテンション上がる上がる!

そして町の妖怪好き的には絶対見逃せないアイテムが2階で光り輝いていました。

本展は第4章として「妖怪神仏大集合」という章が設けられていますが、「暁斎百鬼画談」が展示されています。これは百鬼夜行絵巻を下敷にした折本なんですが、それを全部開いて、あたかも巻物を全開したかのような状態で展示されています。これはヤバイ!
一枚絵の状態で見られることもステキですが、本展におけるヤバさはそれだけではありません。
巻物は右から左に見るものですね。一方、太田記念美術館は巡回路が左から右になっており、巻物を見るには逆方向です。しかしこの「暁斎百鬼画談」に関しては、それがどうも不利にはなっていないらしいんです。

ちくま学芸文庫の1冊に「河鍋暁斎 暁斎百鬼画談」というのがあります。著者は先日、板橋区立美術館館長を退官された安村敏信さん。その本には、暁斎百鬼画談は前からも後ろからも、どちらからも読めるように仕組まれたものなのではないか、という説が開陳されています(P12)。
本展のように一枚絵の状態で展示されているということは、その説について自分で判断せよ、という機会を与えられているということ。まぁ私は素人なので判断つかないわけですが。

本展は前期と後期でほぼ全てが展示替えされるんですが、太田記念美術館のサイトで掲示されている出品リスト(PDF)によると、この「暁斎百鬼画談」は前後期通して展示されるようです(No.122)。それもまたヤバイ!

なお、本展の他に、三井記念美術館では「河鍋暁斎の能・狂言画」(会期:2013年4月20日(土)~6月16日(日))、国立能楽堂の資料展示室は「世も盡きじ―三井家の能・暁斎の猩々―」(会期:2013年4月19日(金)~6月13日(木))という展覧会が開催されています。
本家本元の河鍋暁斎記念美術館では「暁斎が斬る!時事報道・世相風刺」(会期:2013年5月1日(水)~6月25日(火))という展覧会が開催中。

暁斎いつ見るの? 今でしょ! ってわけで暁斎を堪能するなら今がチャンス!



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