『京都 細見美術館展 Part II 琳派・若冲と雅の世界』
2012年6月2日(土)はそごう美術館で標記展覧会を見てきました。
大阪の実業家で細見良という方がいらしたそうですが、その人に始まる細見家三代に渡るコレクションを展示する細見美術館というのが京都にあるとのこと。
ここ、そごう美術館では、先に『都の遊び・王朝の美』と副題された細見美術館展が、2012年2月4日(土)~3月20日(火)の会期で開催されたんですが、本展はその第2弾。琳派と伊藤若冲をメインに以下の5章で構成されています。
- 祈りの美
- 王朝の雅と源氏絵
- 華麗なる琳派
- 若冲の魅惑
- かざりの意匠
以下、印象に残った作品について徒然なるままに。
第1章 祈りの美
細見コレクションの出発点、そして根幹をなすのは、仏教および神道の美術とのこと。
そんなわけでまずは仏画の章から開始です。
仏画はデザイン的にもかなり面白いですが、「如意輪観音」は肌である黄色が実に鮮やかで目を惹きました。美しい。
「平家納経」の数点も展示されていました。もちろん実物ではなく、田中親美という人が模写したものとのこと。その中では「般若心経」に心奪われました。
黒字に銀色の線で絵や文字が書かれています。このネガとポジが反転したような作りが実に美しい。
第2章 王朝の雅と源氏絵
登場するのが、人の装束を身につけた虫たちという「きりぎりす絵巻」という絵巻が気になりました。
展示されていたのは、タマムシの女とセミの男との婚礼の場面。
説明書きにはセミとありましたが、どうみてもトンボ。昔はトンボをセミと呼んでいたんですかね。コウロギとキリギリスが昔は逆に呼ばれていたというのは知っていますが。
第4章 若冲の魅惑
知識が浅くてミーハーなワタクシは、もちろん伊藤若冲を目当てに行ったわけです。
鶏を描いた二つの作品が実に良かった。精緻で繊細な彩色画の「雪中雄鶏図」、墨絵ならではの緩急自在な筆のタッチが美しい「鶏図押絵貼屏風」。同じ鶏を画題としながらも、それぞれ印象がまったく異なります。どちらも実に美しい。
本章では若冲の作品が6点展示されている他に若演なる絵師の「遊鶏図押絵貼屏風」という作品も展示されていました。これは若冲の「鶏図押絵貼屏風」の焼き直しなんですかね。ほぼ同じ絵柄でほぼ同じ作りの屏風でした。
会期は2012年5月26日(土)~7月16日(月)。
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