『“これも自分と認めざるをえない”展』

2010 / 10 / 30 by
Filed under: 展覧会日記 
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『“これも自分と認めざるをえない”展』

『“これも自分と認めざるをえない”展』

2010年7月16日(金)~11月3日(水)が会期という標記展覧会。終了間際の2010年10月30日(土)に行ってきましたよ 21_21 DESIGN SIGHT へ。

すごい人気で超混雑、作品によっては1時間以上待つなどというトンデモな状況だという情報を前々から得ていて、うーん、これはこの展覧会はパスかなーと残念に思っていたんです(混雑大っキライ。おかげで『阿修羅展』は見逃した)。
しかし待てば海路の日和ありと言いますか、台風接近で大雨大風という最悪な日和の今日ならば空いているやもしれん、というわけで出かけたわけです。
で、12時半くらいだったかなー着いたのは。最初の準備ゲートで前に3人並んでいるレベルの混み具合で良かった良かったてな感じでいざ地階へゴー!
全部の作品を体験できたわけではないんですが、嫌気がさすほどの待ちもなく、そこそこ楽しめたんで良かったです。

以下、それぞれの作品についての感想。

「展覧会を楽しむための4つの準備」

ここでは各ブースに一人ずつ入って、名前、身長と体重、動作、虹彩の情報を登録します。
私の前には3人並んでいます。ブースは全部で4つあります。どのブースもなかなか人が出てきません。
なんかずいぶん時間がかかってるなー、と思っていたら、カップルが二人連れで入ってやがった。

「指紋の池」

指紋認証大失敗。3回やって3回とも新規作製された…… 仕事場では指紋認証システム使ってるんだけどなぁ……
そんなわけで今、あの池には私の指紋から生まれた魚が3匹泳ぎ続けているわけです。
帰ってくるところ見たかったよぉ(泣)。

「属性のゲート」

3つのゲートそれぞれが当たり前に認識されました。よって全然サプライズはなし。まぁしょっぱなからサプライズがあっても困るけどな。

「属性の積算」

準備ゲートで登録された身長と体重が活かされる展示。
登録されたデータから、まず身長のみで同定しようとする。もちろん候補がたくさん出てきます。次に体重を加味して同定をすると、たったひとつの冴えたワタクシが見事同定されました。
まぁ痩せているとか太っているとか、標準外の体型だったら完全同定されるよねーあはははー。悪かったなデブで!(逆ギレ)

「ふるまいに宿る属性」

準備ゲートで登録された動作が活かされる展示。
でも準備ゲートでの動作が悪かったのか、それともこの展示における動作が悪かったのか、抽出された人々の中に私の名前はありませんでした。
でもそれはそれで奇妙な感じが残る貴重な体験なのかも。

「2048」

準備ゲートで登録された虹彩が活かされる展示。
実はぶっちゃけ「指紋の池」とコレだけ体験できれば後はいいや、とまで思っていた展示です。これだけは何が何でも体験したい、と思っていたんです。多少の時間並びますが、整理券が必要とされる展示ではなくて良かった良かった。
ところで虹彩認証の精度って高いんすねぇ。並んでいる間中、何人もの体験者たちの様子を見ていたけど、間違った同定は一つもなかったもよう。

この展示の意図は、かなりのデータを破壊しても自分が同定され続ける不安を感じさせること、とのこと。
しかし私にはひとつ打つ手があったのです。それが実際に有効かどうかそれを確かめたかったわけです。

そう。CD-ROM を廃棄する際のカッターの刃の入れ方ですね。円周に沿った流れに刃を入れるではなく、中心から放射状に刃を入れるというアレ。その手法は虹彩のデータに対しても有効だったようです。
ドーナツを4等分するように4本線を入れたら4本目の途中で認識不能になりましたよ。

この展示はその体験性だけでなく、ビジュアルとしても美しさを持っていますね。
体験者の前にあるスクリーンへの投影は、体験者の後ろからではなく、スクリーンの奥からなされています。
そしてスクリーンは透明なため、プロジェクターから出ている光はスクリーンに投影されるだけでなく、さらに体験者のステージの床にまで光の影を投げかけています。その床に写った光がなかなか味わい深いものがあります。

あと、「金魚が先か、自分が先か」は何が起こっているかは分かったけど、だから何なのかは分からなかったとか、「佐藤雅彦さんに手紙を書こう」は書き方が悪かったのか、それとも書き終わってから席を立つのが早すぎたのか、返信が来なかったとか、ありますが省きます。

全体を見ていて思ったのは、コンピュータ技術を使った体験型展示は、けっこう難儀だなぁ、ということ。

例えば「属性の積算」では身長による同定の場所で、ちゃんと足跡の場所に立たないバカがいて、そのせいでシステムが機能せず、いつまでもそいつが立ちっぱなしという場面があった。
しかもスタッフが仕組みをちゃんと理解していないのがまたダメなところで、立ち位置が悪いから起動しないのが一目瞭然なのに、裏方のシステム班と通信してやんの。で、システムが死んでいないか確かめて、とでも指示されたのかスタッフ自身が立つと機能する。
で、その頭の悪い体験者がまた足跡の場所で立たずに、そのためシステムが機能しない状態。たまたま通りかかった別のスタッフが足跡の位置に立つよう指示してやっと再開した、という場面に出くわした。

かようにコンピュータものには厳密性が求められるわけで、ちょっとでも曖昧さやゆらぎがあるとストップする。こりゃあ時間もかかるよなぁ。てゆーかちゃんとスタッフの教育しとけよ。

ちなみに14時ごろ会場を出たんですが、そん時には準備ゲートは30人以上の長蛇の列。この台風の中をこの大人数……



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