『石上純也展 建築はどこまで小さく、あるいは、どこまで大きく広がっていくのだろうか?』
2010年10月2日(土)、新橋・銀座~日本橋方面展覧会踏破、2番目は資生堂ギャラリーで2010年8月24日(火)~10月17日(日)の会期でおこなわれている標記展覧会です。
会場を仕切るような長いテーブルが、入り口側エリアには6台、奥のエリアには4台置かれており、そこに全56のプロジェクトやアイディアの模型が展示されています。
まずその模型の細かさに圧倒されます。ここまで細かい細工をする根気はスゴイなぁ。
次に圧倒されるのは、掌に乗るような小さな小さな小さな模型が、大きな大きな大きなスケールを表現しているということ。
山に洞を穿つだとか、湖底の地形に段差を作って水位によって異なる様相を表させるだとか、長い長い橋を架けて地球を一周するだとか、もう気宇壮大としか言いようがない。それぞれの模型がひとつひとつの宇宙を構成していると表現するべきか。
このミクロが表現するマクロ、マクロを封印したミクロには目眩を禁じ得ない。なんともすばらしい。
56点のどれもこれも目を瞠るものばかりなんですが、印象に残ったのは55番目として展示されていた「森と街」と名付けられたもの。水木しげるのマンガ「原始さん」を思い出しました(微妙に違うけど)。
前述したように、展示物は、物凄く細かいパーツや、あるいは薄くて脆そうなパーツから組み上げられた模型群なので、うかつにハタキもかけられないという事情は分かるんですが、せっかくの展示物が埃まみれというのは残念です。
細かい細工に近寄って目をこらす、という展覧会だから、少しの埃でも気になるんですよねー。その点には主催者側の配慮が欲しかったなぁ、とは感じましたが、これだけたくさんの世界観を感じることができたんだから良しとしますか。
ところで、この次の次に INAX ギャラリーに行くわけですが、そこで、INAX 出版による石上純也本がサンプルとして置かれているのを発見しました。これはっ、てんで速攻 INAX ブックギャラリーに行って買いましたよ。
「石上純也|ちいさな図版のまとまりから建築について考えたこと」というタイトルの本で、第11回ベネチア・ビエンナーレ国際建築展・日本館展示の公式カタログを兼ねて出版されたものとのこと。
ここに書かれた文章を読むと、この資生堂ギャラリーに展示された模型についての理解がさらに深まります。
愛知県の豊田市美術館では2010年9月18日(土)~12月26日(日)の会期で『石上純也-建築のあたらしい大きさ』という展覧会が開催されているとのことで、機会があれば豊田市の方も観に行きたいなぁ、と思いました。
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