『カンディンスキーと青騎士展』

2010 / 12 / 20 by
Filed under: 展覧会日記 
Bookmark this on Delicious
[`livedoor` not found]
[`yahoo` not found]

『カンディンスキーと青騎士展』

『カンディンスキーと青騎士展』

三菱一号館美術館にて2010年11月23日(火)~2011年2月6日(日)の会期でおこなわれている表記展覧会に、2010年12月18日(土)行ってきました。

三菱一号館美術館、初めてだったんですが、展覧会よりも美術館自体に対して、かなり強い印象を持ちましたので、まずは美術館自体の感想を少しばかり。

三菱一号館美術館

三菱一号館美術館

はっきり言ってこの建物、美術館に向いてない。
聞けば、三菱一号館は元々、事務所として設計されたものだとか。たしかに執務室ならこれでいいだろうけど、美術館展示室とするには個々の部屋が狭すぎる。その結果として鑑賞者はふつう考えられないくらい多くの部屋を巡ることになる。今回の美術展はテーマに沿って4つの章に分けられていますが、費やされる部屋の数が15室。あり得ねぇ。
おまけに巡回ルートも、展示室から展示室までかなり離れている場所があったり、サインも少し分かりづらい。2階の展示室なんか出口側から入っちゃいましたよ。

まぁ美術館自体の感想はこの程度にしといて、展覧会について思うところを。

青騎士派は、鮮烈な色が実にイイですね。まさに色の奔流といったところ。原色系の色が多用されていると、往々にして胸焼けするような感覚に襲われたりするものだけど、決してそんなことがない。
さらに驚きなのは、使われている色が当たり前の使われ方じゃないところ。人の肌の色が緑系統だったり(ガブリエーレ・ミュンター「マリアンネ・フォン・ヴェレフキンの肖像」)、瞳孔が黒、虹彩が赤、白目が水色であったり(マリアンネ・フォン・ヴェレフキン「自画像」)、原色ハデハデな建物や自然だったり(ヴァシリー・カンディンスキー「ミュンヘン――郊外」、「ムルナウ近郊の鉄道」)、写実的にはあり得ない色ですが、それが実に鮮やかで美しく、とても強い印象を残します。
カラーリングのセンスがとりわけ優れた画家たちが集まってるってことなんすかね。

展覧会でも前の方に展示されているものは、色使いはとても魅力的とは思いましたが、稚拙派っぽい線使いでイマイチのめり込めませんでした。しかし後の方に展示されていた、キュビスムを取り入れた作品は、その当たり前でない色使いと、当たり前でない線・面使いが相まって、実に魅力的かつ感動的。

とりわけ私の心を捉えて離さないのは、フランツ・マルクの動物もの(「牛、黄-赤-緑」「」)とヤウレンスキーの「成熟」。特に「成熟」はその前にいつまでも立っていたくなるほど強い魅力を放っていました。
絵葉書があったら絶対買おう! と思っていたのになかった…… 悲しい。

[ad#aquioux_net_article]



Comments

Tell me what you're thinking...
and oh, if you want a pic to show with your comment, go get a gravatar!





WP-SpamFree by Pole Position Marketing