『超絶技巧! 明治工芸の粋』
2014年6月28日(土)、三井記念美術館で開催中の標記展覧会を滑りこみ気味に鑑賞してきました。
京都は清水三年坂美術館が誇る、明治の名工たちによる超緻密・超美麗な伝統工芸品の数々を、東京に居ながら観ることがきるという、実に贅沢な展覧会が本展です。
展示されている工芸品は以下の9つの分野に渡っています。
- 七宝
- 金工
- 漆工
- 薩摩
- 刀装具
- 自在
- 牙彫・木彫
- 印籠
- 刺繍絵画
この中だと、自分の好みは金工、自在、牙彫。そこいら辺を念入りに観てきました。
以下、特に印象に残ったものを徒然なるままに。
展示室1および2では、まずは掴みということで、6つの分野から選りすぐりの13点が展示されています。この時点で、5点の作品で足が釘づけになりました。
伊勢海老は2点が一つのガラスケースに収められています。同じモチーフで、材質、技巧が異なる二つの分野の工芸品が並んでいる様は実に良い。
《蓮葉に蛙皿》は蓮葉の傷んでいる部分とそうでない部分が異なる金属で表現されているんですが、傷んでいない方が銅、傷んでいる方が金というのが、侘び寂びというか、粋というか、実にイケてる。あとカエルの愛らしさに注目。
《古瓦鳩香炉》は古瓦の質感から目が離せない。クモの小ささとその細工の細かさも目が離せない。
そして安藤緑山の《竹の子、梅》はやはり本展の最大の目玉なんでしょうね。1点分しかスペースのない展示室2に堂々と鎮座しています。
タケノコのリアルさにはため息しか出ません。特に皮の剥がれ具合や裂け方は瞬きを忘れてしまいそうになります。
さて金工で目を惹いたのは次の2点。
川原林秀国《瓜形香炉》は、瓜の縞模様の表現の美しさと、つまみとしてあしらわれたカタツムリのヌメっていそうな質感が萌える。
村上盛之《冬瓜大香炉》は、冬瓜を模した香炉のどっしりとした存在感と、付属品のクツワムシとスズムシの精巧さに震える。説明ではコオロギとなっていたけど、スズムシの間違いでしょう。
自在は、どれもこれも興味深い。テレビの各種美術番組でいろいろ観ましたが、これらのリアル可動ぶりは、リボルテックも真っ青ですよね。
特に目を惹かれたのは無銘《蟹》。なんという小ささ、にもかかわらずリアル稼働だなんて。圧巻。
牙彫も、これまた全てに目移りしてしまいます。質感といい、色彩といい、本物と見紛うばかりの造形がすばらしい。
特に気になったのは、やはり安藤緑山作品。その中でも《蜂の巣》と《焼き栗》に惚れた。
そんなわけで、いまでは再現不可能な超絶技巧を堪能しまくれる本展覧会の会期は2014年4月19日(土)~7月13日(日)。もう一度観に行こうかなぁ。そうだ京都行こう。この展覧会の全ての巡回が終わったら。
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