『福田平八郎と日本画モダン』
2012年6月23日(土)は、山種美術館で標記展覧会を観てきました。
わたくし日本画あまり興味がないので、あまり積極的に観てこなかったし、知識もおおいに不足しているわけです。
なので本展覧会は当初観るつもりなかったんですが、先般放送されたEテレの「日曜美術館」でやたら「漣」がフィーチャーリングされているのを見て、大いに興味がそそられました。で、当の「漣」は会期中ずっと展示されているのではなく、前期のみだとということなので、前期終了の前日に滑り込みで観てきた次第。会期自体は2012年5月26日(土)~7月22日(日)。
なんでもこの「漣」、銀地に群青で描くつもりだったのが、表具屋の手違いで届いた屏風に押されたのは金箔だったとか。それの直しをしていると出品に間に合わないので、金箔の上にプラチナ箔を貼って、その上に群青で描いたそうな。
そんなエピソードを聞いて、群青だったら銀箔だけの方が映えるんじゃないのかなぁ、と現物を見るまで思ってました。しかし現物を目の当たりにしてみると、金の上に銀を貼ったカンバスというのは確かに成功だなぁ、と思い直しましたよ。
照明の加減なのかも知れませんが、地色からうっすらと放たれる黄色が、水面にキラキラ輝く太陽光みたいで、実に美しかった。
「漣」以外では「牡丹」に圧倒されました。
半透明に妖しく光る花弁。狂的なまでに緻密な描写。絵から強い気迫と執念のオーラが吹きつけてくるようで、恐怖すら感じます。
怪奇幻想画と言ってもよろしい。こんな絵描いてりゃ、魂吸われてそら神経衰弱にもなるわなぁ、と納得の一枚でした。
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