『ルドンとその周辺 ―夢見る世紀末』
2012年3月3日(土)、三菱一号館美術館に標記展覧会を見に行ったわけです。
会期は2012年1月17日(火)~3月4日(日)までってわけで、もうホントに滑り込み。
しかしルドンの展覧会で入場制限食らうことになろうとは。20~30分は待ちましたかねぇ…… いやぁ時代も変わったもんですなぁ。
ルドンと言えばかつては、暗い、不気味、気持ち悪いといったマイナスイメージの、一部の好事家によって偏愛される作家だったんですがねぇ。
もっともルドンは、やがては黒の時代と決別し、その後に訪れた色彩の時代にはその作品の印象がガラッと変わるわけですが、でも黒の時代が強烈すぎたのか、世間的な評価は暗黒、幻想といった方面だったように思います。
それが極々普通の市井の人々が延々と門前列を成す時代が来ようとは…… 隔世の感ですよねぇ。
ところでルドンと言えば岐阜県美術館。
日本人でルドンに多少なりとも興味のある人間はこの等式が真っ先に思い浮かぶわけですが、本展覧会は、ルドンおよび、ルドンの時代やそのムーブメント周辺作品を、岐阜県美術館が所蔵する作品で概観しようという巡回展です。
しかし、三菱一号館美術館を会場とする展示に限っては、他会場の展示と1点違いがあります。
それは三菱一号館美術館が、この展覧会に合わせて新規収蔵した「グラン・ブーケ」も併せて公開されるという点。
まぁワタクシ、ルドンの色彩の時代の作品には興味ないんで、そんなのどうでもイイんですけどねー。
まぁルドン展の行列についてマジレスすれば、この「グラン・ブーケ」を前面に押し出して宣伝した広報部の勝利ってことなんでしょうねぇ。
ルドンがどういう作家がよく知らずに展覧会に来ている輩もいたようです。「何か気持ち悪い絵ね」なんて囁きあっているオバサンたちもいたし。
しかしそのせいなのか、それぞれの絵をじっくり見ることなく、スタスタと足早に去っていく鑑賞者がどうも多かったようです。
中に入ってしまったら意外や意外、それぞれの絵を見るのに待ち時間がほとんどなかった。そしてそれぞれの絵をゆっくり見ることができました。
例えば「蜘蛛」なんか、人だかりでまともに見られないんじゃないか、と恐れていたんですが、全然そんなことなかった。
真っ正面から近接して、端から端まで見てきましたよ。
黒いルドンをゆっくりじっくり堪能できて、至福の時を過ごすことができました。
やっぱいっぺん岐阜県美術館行かなきゃダメかなぁルドン好きを公言するなら。
本展覧会でルドン以外で嬉しかったことというと、いつぞや国立西洋美術館でも見たブレスダンの「死の喜劇」に再会できたことですかね。
Comments
2 Comments on 『ルドンとその周辺 ―夢見る世紀末』
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saito on
月, 5th 3月 2012 6:18 AM
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Aquioux on
木, 8th 3月 2012 9:59 PM
昔堅気のルドン・ファンの方々は皆異口同音に、「色彩のルドンには興味ない」と吐き捨てるように仰いますね・・・。不思議です。
この展覧会を観れば、二つの世界の連続性は明らかです。色彩の作品の中には黒の時代の諧調が脈々と流れているのが感じられて、ある種、感動的です。特に晴朗で輝かしい「グラン・ブーケ」には。
そういう意味では、オールド・ルドン・ファンからの決別を目論んだかに見えるこの展覧会は成功したのでしょう。
コメントありがとうございます。
昔堅気のルドン・ファンすべてが色彩の時代を軽視あるいは無視しているのかどうか、私、寡聞にして知りませんが、私個人の嗜好はエントリーで述べたように黒大好き! 色彩興味なし! です。
またこの展覧会がオールド・ルドン・ファンからの決別を目論んだのかどうか、私は判断できませんが(個人的にはそうは思えませんが)、成功したことは喜ばしいことですよね。
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