『ロバート・メイプルソープ flowers 写真展』

2012 / 09 / 06 by
Filed under: 展覧会日記 
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『ロバート・メイプルソープ flowers 写真展』

『ロバート・メイプルソープ flowers 写真展』

2012年9月6日(木)に西武渋谷店A館7階特設会場で開催されている標記展覧会を観てきました。
会期は2012年8月28日(火)~9月10日(月)なので、かなり滑り込みなタイミングでしたが、間に合って良かった。
いやぁ実にステキな展覧会でした。チラシによるとおよそ60点の写真が展示されていたとのことですが、その被写体はすべて「花」。
チューリップ、カラー、蘭辺りがお好みの被写体だったと見えて、けっこうな点数がありました。特にカラーは充実しており、本展のキービジュアルとしても使われています。

ロバート・メイプルソープと言えば、やはりモノクロ。美しいですなぁ。

しかし、この展覧会が素晴らしいのはその展示されている写真ばかりではありませんぞ!
その展示スペースの造りも、これまた美しくも素晴らしいものです。

その展示空間は、真っ黒い回廊になっています。ホワイト・キューブならぬブラック・コリドールと言ったところでしょうか。
その回廊の両側にはモノクロ写真が並んでいます、白く、ぼぅと浮かび上がるさまが実に幻想的。
ひとつ角を曲がると回廊壁の右脇に穴が穿たれています。その中は、座席が完備された広い展示空間になっており、ホワイト・キューブならぬブラック・ケイブといった趣。

さて、その広い空間を離れ、再び回廊に戻り、両側の写真を堪能しながら、もう一度角を曲がります。
すると一番奥から、目も眩む白が目に飛び込んできて、驚かされます。黒の先に突如現れるその白は宗教的な荘厳さすら感じさせるではありませんか。

それもそのはず。

この真っ白い空間の入口には "The last works" の文字。この白い小部屋の三方には写真が5点展示されています。撮影年は1989年。ロバート・メイプルソープが亡くなった年とのことです。

展示空間の黒と白の刺激的なコントラストが心に響く、実に素晴らしい空間設計は本当に感動的。
そして展示作品はご存じのモノクロ写真。領域自体が白と黒という無彩色で包まれた非日常的空間には、敬虔な気持ちを抱かざるを得ないのでした。

ところでこの展覧会はもうすぐ終わってしまいますが、たとえ見逃したとしても悲嘆に暮れる必要なし。
この展覧会は巡回展だそうです。来春は西武の本店である池袋で開催されるとのこと。時期は2013年2月初旬を予定、場所は別館2階西武ギャラリーにて。
展示内容が、この渋谷店で開かれたものとは一部異なるそうで、そっちも行ってみようかな、という気にさせる、とても素晴らしい展覧会でした。



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