『ストラスブール美術館展』
フランスのドイツ国境近くにあるアルザス。
その中心都市ストラスブールにある近現代美術館をはじめとする美術館群の収蔵品を観ることができるのがこの展覧会であるとのこと。
ということなので、ストラスブール美術館という単独の美術館があるわけじゃない、という点は国西美で開催中の『ベルリン国立美術館展』(会期:2012年6月13日~9月17日)と同様ですね。
ピカソ、ルノワール、ゴーギャン、ドニ、シニャック、マグリット、マリー・ローランサン、等々。美術の教科書や美術史書籍には必ず出てくる作家たちの作品が綺羅星の如く並ぶ美術展。そんなステキ展覧会が地元で観られるという。
年度初めにパスポート買ってワクワクしながら待ってましたよ。
まぁパスポート購入に踏み切ったのは『ストラスブール美術館展』だけじゃなく、今年、横須賀美術館で開催される企画展がどれも興味をそそられるものだったからですが。
前回は『国吉康雄展』(会期:2012年4月28日~7月8日)。次回は『百花繚乱 女性の情景展』(会期:2012年9月15日~10月21日)。そして続く『朝井閑右衛門展』(会期:2012年11月3日~12月25日)。
気になる展覧会が並んでいます。5周年記念なのでキュレーターの方々が発奮されたようですね。
それはともかくストラスブール。
本展の会期は、2012年7月21日(土)~9月2日(日)ですが、既に7月29日(日)、8月5日(日)、26日(日)の3日間通いました。9月2日(日)も観納めに行く予定。徒歩圏内でこれだけの名画に触れることができる幸せを噛みしめた(しめている)次第です。収蔵品にも割と良いものがあるんですけど、それについては、またいつか機会があれば。
印象に残った絵について徒然なるままに。といってもどれもこれも印象深い作品ばかりで目移りしちゃう。
- 私の絵画事始め、ルネ・マグリット
- シュルレアリスムとアール・ブリュットのあわいを漂う、ヴィクトール・ブラウナー
- ロプロプものの一枚、マックス・エルンスト「視野の内部」
- あまり観る機会がないと思われるルノワールとシャガールの白黒のリトグラフ
- 朦朧油彩画ウジェーヌ・カリエール
- フロイト的解釈をしてくれと言わんばかりのフェリックス・ヴァロットン「水辺で眠る裸婦」
- 油彩画なのに日本画のように輪郭がクッキリしたロタール・フォン・ゼーバッハ「エルサ・クーベルレの肖像」
- 堂々たるキュビスム、ピカソ「座る女性の胸像」
- 筆触分割で描かれていたのね、ブラック「静物」
等等等。
全部書いていたらあまりに長くなり過ぎるんで、絞りに絞って2点ばかり。
タキシードを着た二人の男のバストショット。囁き合っているかのような体の傾き。
そんな男たちが映っているテレビ映像に電磁的な操作をして左から右へ向かって滲ませたような、奇妙な描き方をした油彩画がこの作品です。色づかいもスペクトル分光した虹の七色的な感じ。
白南準のビデオアート映像を油絵で描いてみました、といった趣が印象的。
ポール・シニャック「アンティーブ、夕暮れ」
点描派ってイイですよねー。本展を既に3回も観に行ったのは、ひとえにこの絵を見たいがため。展覧会が空いていることを良いことに、もう何十分、見つめ続けたことでしょう。
一番好きなのはスーラですが、他の点描派画家の絵も見入ってしまう。
今回じっくり観て、とりわけ印象に残ったのは海の部分は横長の筆触分割、土地や建物などの部分は縦長の筆触分割、空はそれらが混ざったり、あるいは斜めになった筆触分割というように、モチーフによって筆触分割のされ方が異なっていること。
その違いが、遠くから絵を眺めたときに、領域ごとにうねりが生じ、リズムを刻んでいて、絵に深みを与えていることに気づきました。
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