『西村伊央 -symphonic photograph-展』
2011年7月16日(土)は新橋・銀座方面のギャラリー巡りをしてきたわけですが、その中から、INAX での二つの展示について、感じたところをば。
まずは INAX ギャラリー2 で2011年7月1日(金)~7月28日(木)の会期でおこなわれている標記展覧会について。
壁一面を覆うくらい大きな領域に、カラフルな光パーティクルの乱舞、といった趣の図像が表わされています(展示会場の写真が、上記リンク先の「展覧会詳細」にあります)。
その大画面は一枚のキャンバスではなく、タイル状に正規分割された矩形を貼り合わせたもの。
それぞれのタイルは写真です。被写体は光。暗い中にいろいろな色の光源を置いてボカして撮影したといった感じ。
まぁつまりフォトモザイクの技法なわけです。
問題なのは、この光パーティクルの乱舞という表現をするにあたって、なぜフォトモザイクの手法を採用したのか。
意義と有効性がまったく分らん。
たとえば、細密画によって大画面に光を表現したというのなら、その技量に驚嘆するでしょう。
また、フォトモザイクの驚きを求めるのならば、個別のタイルは何らかの具象的なものが写されているべきなんじゃないでしょうか。
関係のない細部同士の集合が、まったく異なる全体像を描くというのがフォトモザイクの醍醐味なんだから。
光の乱舞という全体像にフォーカスを当てても、矩形分割という細部にフォーカスを当てても、どっちも中途半端な感じが否めない。
テーマと技法が、お互いを高め合うんじゃなくて、お互いを打ち消してるように感じます。
さらに個人的な嗜好を言わせてもらえば、今時、画面分割で静止画ってのは、どーなのかなー、と。
同じ大きさの液晶画面を並べて動画で表現されていたらなば、もうちょっと感じ入るところがあったかも知れないなぁ、と思うと、「残念」な印象を抱きます。
いやぁ、ちょっと期待してたんですよねー。
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