『奇跡のクラーク・コレクション』

2013 / 02 / 16 by
Filed under: 展覧会日記 
Bookmark this on Delicious
[`livedoor` not found]
[`yahoo` not found]

『奇跡のクラーク・コレクション』

『奇跡のクラーク・コレクション』

※冒頭の写真を除き、この記事で掲載している写真は、主催者のご厚意で撮影の許可をいただいたものです。

2013年2月13日(水)、標記展覧会のブロガー向け内覧会に参加しました。
『奇跡のクラーク・コレクション』とは、三菱一号館美術館で2013年2月9日(土)~5月26日(日)の会期でおこなわれている、かなりスゴい展覧会です。
この内覧会はカリスマ・アート・ブロガーTak(たけ)さんコーディネートによるもので、17:30受付開始、18:00スタート、30分程度学芸員さんによる解説を聞いた後、20:00まで展覧会を観ることができ、しかも美術館側のご厚意で写真撮影も可という、実にすばらしい内覧会でした。

何でも競争率が3倍という超人気企画だったとのこと。Tak(たけ)さんからはブログにエントリーやツイートでぜひとも自慢してください、とのことでしたから自慢するよ。
そんな内覧会に参加できたなんて、オレは幸せだーっ、ひゃっほーー! でもこれで今年一年のツキを使い果たしてしまったかも知れん。

会員制倶楽部「MARUNOUCHI CAFE 倶楽部21号館」でおこなわれた観覧前解説については、他の参加者さんのブログやツイートをお読みいただくとして、私は展覧会を観ての感想に絞ってエントリーします。

全体を通しての感想は、ルノワールの点数の多さに驚嘆した! ということ。
展覧会全体の展示数は73点で、うちルノワールは22点。最後の展示室はルノワール・ルームとでも呼ぶべき構成で全7点中6点がルノワールです。全7点をなぜルノワールで固めなかったのは謎。

観ていて印象に残った作品について徒然なるままに。
まずはルノワール以外の画家の作品から。

エトルタの断崖」クロード・モネ
先だって東京都美術館で開催された『メトロポリタン美術館展』では「マヌポルト(エトルタ)」というタイトルのモネの絵がありました。砕け散る波頭が印象的な絵でしたが、この絵はそれと同じ場所を描いたもので、こちらは穏やかな波と岩を照らしている朝日の光の美しさが印象的です。

最左「エトルタの断崖」

最左「エトルタの断崖」

カルメン」「待つ」共にアンリ・ド・トゥルーズ=ロートレック
ロートレックというとポスターが思い浮かびますが、油彩画もあるんですね。
ポスターもあまり明るいという感じではありませんが、この2点の油彩画は内省的とでも形容すべき暗鬱さです。

左「待つ」、右「カルメン」

左「待つ」、右「カルメン」

エラニー、サン=シャルル」カミーユ・ピサロ
点描画好きとしては足を止めざるを得ない。
ところで国立新美術館では2013年10月4日 (金) ~12月23日 (月)の会期で「印象派を超えて―点描の画家たち」という展覧会が開かれるということで、今から期待に胸昂まりまくり。

左「エラニー、サン=シャルル」

左「エラニー、サン=シャルル」

座る裸婦」ウィリアム=アドルフ・ブグロー
西洋絵画といえばやはり裸婦像。肌の白と青い布のコントラストが鮮烈。
何が良いって、乳首を晒していないところがポイント高し。下乳がエロス。

左「座る裸婦」

左「座る裸婦」

で、いよいよルノワール。

個人的にはルノワールというと淡い色がステキな画家という印象だったんですが、けっこう鮮烈な原色も使っているんですねぇ。
ルノワール・ルームで観た「縫い物をするマリー=テレーズ・デュラン=リュエル」や「眠る少女」の色遣いには目が覚める思い。

左「眠る少女」

左「眠る少女」

もうひとつルノワール・ルームで目を奪われたのは「金髪の浴女」。ルノワールの代名詞とも言えるふくよかな裸婦像。その美しさには惚れ惚れしちゃう。
リンク先の画像も私の撮った写真も残念ながら白く色が飛んでますが、現物は綺麗な肌色です。ぜひとも肉眼で見るべき。

左「金髪の浴女」、右「縫い物をするマリー=テレーズ・デュラン=リュエル」

左「金髪の浴女」、右「縫い物をするマリー=テレーズ・デュラン=リュエル」

が、しかし! 裸婦というモチーフはそれ自体が既に美しいのである。
本展での一番の衝撃は「タマネギ」という絵でした私は。
タマネギの表皮の透明感ある茶色や背景が、淡い色彩を筆触分割で描かれており、それがとにかく美しい。タマネギをモチーフにした絵がこんなに美しいなんてビックリ。この『奇跡のクラーク・コレクション』中、最も美しい絵である、と断言したい。

右「タマネギ」

右「タマネギ」

内覧会受付で、本展と次回、当美術館で開催予定の展覧会『浮世絵 Floating World』のチラシ、そして本展の招待券と割引券を頂戴したんですが、自分のために招待券を使わせていただきたいと思います。
再訪せざるを得ない驚異の展覧会。それがこの『奇跡のクラーク・コレクション』です。



Comments

Tell me what you're thinking...
and oh, if you want a pic to show with your comment, go get a gravatar!





WP-SpamFree by Pole Position Marketing