『浮世絵動物園』

2010 / 08 / 17 by
Filed under: 展覧会日記 
Bookmark this on Delicious
[`livedoor` not found]
[`yahoo` not found]

『浮世絵動物園』

『浮世絵動物園』

おまえら! 京極夏彦好きですよね?
で、映画「姑獲鳥の夏」はご覧になりましたか?
その中に出てくる古書店京極堂にはモデルがありまして、神保町にある大屋書房というのがそれなんです。
まぁそのことは以前にも触れましたが、先日、神保町を散策していたら、その大屋書房の店頭で面白げな展覧会の案内を2件見かけました。今回と次回はその展覧会についてのレポ。

まず1件目。平成22年8月14日(土)に、原宿にある太田記念美術館標記展覧会を見に行ってきました。会期は平成22年8月1日(日)~26日(木)まで。

設定されたテーマに対して、どのような作品が展示物としてセレクトされてるんだろう、というワクワク感が展覧会の醍醐味ですよね。
この展覧会では、浮世絵に描かれた動物たちをテーマとしています。動物といっても犬や猫といった当たり前の動物ばかりではなく、当時一般的にはほとんど知られていない異国の動物や想像上の動物といったものも含まれているとのこと。

太田記念美術館

太田記念美術館

しかしながら、どう見てもこの絵、動物が主題じゃないだろ、写真で言えばカメラマンが気づかないうちに偶々写りこんだだけだろ的な描かれ方の絵が何点かありまして、まぁ苦し紛れと言えば苦し紛れなんでしょうが、でも何か微笑ましくてイイなぁ。

それにしても今回展示されている浮世絵を見て、やっぱ浮世絵の画面構成のデザイン性の高さはスゴイなぁ、ということを改めて感じました。
それは歌川広重による「名所江戸百景」の2点を見てのことです。
ひとつは「深川萬年橋」といい、もうひとつは「浅草田甫酉の町詣」という題名の絵です。

名所江戸百景 深川萬年橋名所江戸百景 「浅草田甫酉の町詣前者は手桶の柄を通して、遠くに川が描かれています。手桶の柄の取っ手には亀がぶら下げられていて、あきらかに主題が亀状態という画面構成。

後者は部屋の中から窓の桟を通して遠景に野原が描かれています。
そして窓のへりから外を見ている背を丸めた猫。この背中が実に哀愁を漂わせてるじゃありませんか。

なんて素晴らしい画面構成。

名所江戸百景 深川州崎十万坪でも「名所江戸百景」にはもうひとつ猛禽類を描いたすげー斬新なトリミングの作品があったよなぁ、「名所江戸百景」じゃなくて葛飾北斎だっけ? と思いながらネット検索してみたら、ありました。

やはり「名所江戸百景」の「深川州崎十万坪」という題名の作品です。
この3点が揃っていたら完璧だったのに、惜しかったなぁ。

それにしてもこの「名所江戸百景」というシリーズはスゴイ画面構成の絵が目白押しですね。
ウィキペディアの名所江戸百景の項目で全部の絵が見られますので、皆さん、ぜひとも浮世絵の画面構成能力の高さに酔い痴れてください。
上記3点以外で動物絡みだと「水道橋駿河台」「四ツ谷内藤新宿」あたりもダイナミックでシビれる。
町の妖怪好き的には「王子装束ゑの木大晦日の狐火」も外せない。



Comments

Tell me what you're thinking...
and oh, if you want a pic to show with your comment, go get a gravatar!





WP-SpamFree by Pole Position Marketing