『三代目歌川豊国の「役者見立東海道五十三駅」全揃(前期)』

2012 / 05 / 28 by
Filed under: 展覧会日記 
Bookmark this on Delicious
[`livedoor` not found]
[`yahoo` not found]

『三代目歌川豊国の「役者見立東海道五十三駅」全揃(前期)』

『三代目歌川豊国の「役者見立東海道五十三駅」全揃(前期)』

川崎の砂子の里資料館において2012年5月7日(月)~26日(土)の会期でおこなわれていた標記展覧会を、最終日の5月26日(土)に滑り込みで観てきました。

この「役者見立東海道五十三駅」なるシリーズは、その数全部で140枚(目録含む)にもなる、三代目歌川豊国の晩年の大作とのこと。
東海道五十三次の各宿場を背景に、歌舞伎のキャラクターのバストショットが描かれているという構図です。

今回は、前期として、目録を含めた70枚が展示されました。
東海道の宿場駅の知識も歌舞伎の素養もない私は、その宿駅と描かれたキャラクターとの関連性が一切分らないんですが(てゆーか、そのキャラ自体すら分らないという体たらく)、きっと知識を持っている人は、それぞれの絵を見て、心の中で納得したり、異議を唱えたりしてるんでしょうなぁ。
やっぱ知識は大切ですねぇ。

そんなわけで、無知な私としては、ビジュアル的に気になった絵を2点ばかり触れたいと思います。

まず「東海道五十三之内小田原箱根間 畑宿 工藤祐経」。
浮世絵の人物と言うとたいていその顔は斜めを向いているわけですが、この絵では真横を向いています。珍しい構図ですね。

そして「東海道吉原蒲原間 岩渕 女達磨」。
被ぎの輪郭が太く擦れ気味の線で描かれているのに比べ、それ以外の人物象は普通の太さの輪郭線。
これはまさしく喜多川歌麿「女達磨図」。
サントリー美術館で2010年に開催された『「歌麿・写楽の仕掛け人 その名は蔦屋重三郎」展』に出てましたよね。私は見逃してしまいましたが。
この「岩渕 女達磨」はその「女達磨図」を踏まえて、上記のような描き方をしているんですかね、やっぱり。
でもこの絵、シリーズ全体として見たとき、今風に感覚で言うと、写実的な絵のシリーズの中に、アニメ風の絵柄が含まれている、といった印象を醸し出してたんじゃないのかなぁ、などと感じました。

残りの70枚は本展後期として、2012年6月11日(月)~30日(土)の会期で展示されるとのこと。



Comments

Tell me what you're thinking...
and oh, if you want a pic to show with your comment, go get a gravatar!





WP-SpamFree by Pole Position Marketing