横須賀美術館『平成22年度第2期所蔵品展』

2010 / 07 / 19 by
Filed under: 展覧会日記 
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田中恭吉「失題」

田中恭吉「失題」

昨日、横須賀美術館の企画展のレポを書きましたが、今期の所蔵品展では、オレ的にけっこう良さげなテーマの展示があったので、今回はその話。

「幻想・幻影 画家たちのイマジネーション」というテーマで、不気味っぽい作品群が展示されていました。
シュルレアリスム的な絵画もありましたが、それよりもむしろ、生きることへの不安や死への恐怖を繊細な感性で表現した、まぁ腺病的って言うか、サナトリウムで肺病療養中っていうか、大正や昭和初期あたりの薫り漂う神経症的な雰囲気の絵画が展示されていて、それが実に私の好みにマッチしていたんですわ。

清宮質文や田中恭吉の版画が醸し出す雰囲気は趣があってイイですねー。堪能させてもらいましたよ。
それにしても横須賀美術館がこういった作品を収蔵しているとは思わなんだ。しっかし収蔵ポリシーがいまいちよくわからん美術館だなぁ。たしか海とか水とか青とか、そういったものをメインに収蔵する方針だったって、どっかで見たような気がするんだけど。

まぁそれはともかく、このコーナーの最初に、田中恭吉の「失題」という冒頭に示した作品が飾られていて、いきなり、おおっ、てな感じで目を奪われました。
これは創元推理文庫の一冊「日本怪奇小説傑作集(1)」というアンソロジーの表紙に使われている絵なんですよね。
よもやそのような作品にこんなところで出逢うとは! と実に驚かされたもんです。
原画は版画なので、この文庫本の装丁に使われたのが、今ここで見ている作品とは限らないけど、うーん、そんな作品に地元横須賀で出逢えるとはなぁ、グッジョブ横須賀美術館、と実に感慨深いものがありました。



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