明日の神話

2011 / 06 / 14 by
Filed under: 展覧会日記 
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明日の神話

明日の神話

岡本太郎先生は常々、芸術は大衆のためにある、というポリシーから公共空間に置かれるパブリックアートの作成に力を入れていたとか。そんな岡本先生の最後のパブリックアートがこの「明日の神話」なわけですね。
設置場所は渋谷マークシティの JR 渋谷駅と京王井の頭線渋谷駅とを結ぶ連絡通路とのことですが、京王井の頭線なんてまず使うことがないので、今まで見たことなかったんです。今回、川崎市岡本太郎美術館から渋谷パルコへ行くのに、向ヶ丘遊園から小田急線を使い、下北沢で井の頭線に乗り換えて渋谷へ行く、というルートが一番素直なものだったので、ちょうど良かった。

うーむこれが、イイ年こいて厨二病丸出しの香ばしい人たちが売名行為に使った作品かぁ~、と思うと感慨もひとしおですねー。

この絵は第5福竜丸の被爆/被曝がテーマとのことですが、もちろん描くに当たってヒロシマ、ナガサキも念頭にあったんですよね。つまり、日本人が受けた被爆/被曝の歴史をタロー先生が描いたもの。
今回、日本人は被爆/被曝の歴史に自らの手で1ページを付け加えることになってしまったわけで、それに対する批評って意味で、福島原発の水素爆発した建屋を追記した、って主張は分からないでもないです。

日本人は平安の昔から落首落書という表現方法を用いてきましたが、これはそういう文脈でなされたものじゃないですよね。命懸けてないし匿名貫いてないし。
もし仮に警察沙汰やマスコミねたになった時点で即座に犯行声明出したってんならともかく、2週間だかだんまり決めこんで、しかもその間、自分たちじゃないって否定すらしたそうじゃないですか。ところが内覧会では掌返してドヤ顔で発表って何それ。だっさ。
結局は自分らの展覧会を盛り上げるためだけの演出、単なる売名行為に過ぎなかったわけだ。炎上マーケティングって言うんでしょ、こういうの最近。

人として止むに止まれぬ義憤から発した行為じゃなくて、ただの売名行為なら、誰がやったか分らないように夜中にこっそり貼り付けるなんて非効率じゃあないですか(もっとも第一発見者を装ったツイートをした疑惑もあるようですが)。
いっそ白昼堂々ラジコン飛行機でも飛ばして、煙で「ピカッ」て書いて、その場でお縄につくくらいの気概を見せればいいのに。腰引けてるよなぁ。
そんなんだから新聞記事に↑じゃなくて←って書かれるんじゃないの(現在は修正済み。参照)。いきがって真上向いてるけど実態は真横がせいぜい、って見透かされてんじゃないの?

おっと、男性生殖器を示す喃語をチーム名に織り交ぜてる香ばしい人たちなんかどうでもいいですね。

岡本カラー、岡本タッチをこんな豪快な大きさで見ることができるなんて、実に快いじゃありませんか。絵の中央部に描かれた巨大な骸骨の迫力には目を奪われる息を呑む。実に素晴らしいですね。いつまでも見ていたい。

明日の神話(部分)

明日の神話(部分)

そうそうタロー先生のパブリックアートと言えば、かつて日本橋にタロー書房ってのがあって、ビルの壁面と入り口に、タロー先生デザインの書店名が燦然と輝いていましたなぁ。再開発でそのビルは取り壊されたそうで、残念ですなぁ。今はコレド室町の地階に入ってしまったそうだけど、このロゴ看板生きてるのかなぁ。

かつて日本橋にあったタロー書房(2009年8月8日撮影)

かつて日本橋にあったタロー書房(2009年8月8日撮影)



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