『ヤン&エヴァ シュヴァンクマイエル展 ~映画とその周辺~』

2011 / 09 / 21 by
Filed under: 展覧会日記 
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『ヤン&エヴァ シュヴァンクマイエル展 ~映画とその周辺~』

『ヤン&エヴァ シュヴァンクマイエル展 ~映画とその周辺~』


2011年9月18日(日)は原宿・四谷方面の展覧会を見ました。

まず最初は、ラフォーレミュージアム原宿にて、2011年8月20日(土)~9月19日(月)の会期でおこなわれていた標記展覧会に、最終日前日の滑り込み。

ヤン・シュヴァンクマイエルというとやはり映画の印象が強い印象ですが、シュルレアリストとして、映画に限らず、絵画や版画といった平面からオブジェまでいろいろな作品を発表していたんですねぇ。
今回はそのヤン・シュヴァンクマイエル作品に加え、パートナーであり、やはりシュルレアリストの故エヴァ・シュヴァンクマイエロヴァーの油彩画も併せて展示されていました。ゾンネンシュターンのタッチを髣髴とさせます。
個人的にはヤンの平面作品よりもエヴァの平面作品の方が好みでした。

展覧会全体ですが、まず冒頭から鷲掴まれました。
二人がそれぞれ相手を描いた肖像画が飾られています。肖像画といってもそこはそれシュルレアリスト。ただの肖像画じゃあありません。寄せ絵によって描かれています。
寄せ絵というと、なじみ深いのは歌川国芳の一連の作品ですね。「みかけハこハゐがとんだいゝひとだ」のような。

太田記念美術館「没後150年記念 破天荒の浮世絵師 歌川国芳(後期)」と横須賀美術館「トリック&ユーモア展」で見てきたばかり。

それと同様、人が集まって顔を構成するというもの。ヤン&エヴァは国芳知っていたかどうか、私は知りませんが、彼らの肖像画は国芳よりもむしろ、アルチンボルドを踏まえた描いたもののように思えました。

さて本編。
絵画、オブジェ、そして映画関係の小道具やセット。シュヴァンクマイエル節炸裂のめくるめく世界。
映画はもちろん最新作「サヴァイヴィング ライフ」にも触れています。映像として予告編と10分程度のメイキングが流されており、黒山の人だかりでした。絵コンテとして展示されていたものが、ラフスケッチではなく、写真を切り張りした、実際に映画のアニメーション・パートで使ってるんじゃないかってくらい手の込んだものだったのが驚き。

そして最後のコーナーが私の目的地(厳密にいうと、その後に細江英行によるヤン・シュヴァンクマイエルのポートレートのコーナーがありましたが、それは慮外)。
日本の巻物などに描かれた妖怪からインスパイアされた最新作の浮世絵版画、あと怪異つながりで国書刊行会による小泉八雲「怪談」の挿絵原画の展示がされています。

版画にもかからわず色の滲みを持たせたカラフルで美しい浮世絵に描かれた妖怪は原典そのままなものがほとんど。
その原典がおおかた想像できたんですが、続く「怪談」の挿絵コーナーを見たら、その原典がことごとくコラージュ要素として取り入れられており、ああやっぱりこの絵、ってな感じでした。

版画はここで3点だけ画像が見られます。
No.1 は松井文庫百鬼夜行絵巻に出てくる「どうのつら(左)」と「にがわらい(右)」、No.3 は真珠庵本百鬼夜行図の系統に出てくるやつ。No.4 は分からん。シュバンクマイエル・オリジナルかなぁ。



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