パップス・チェーン(2)
たくさんの接する円があるとします。それらの円の隙間を円で埋めてしまいたくなりますね(なりません)。<パクリ(パクリ元)
そんな充填フェチや空隙フォビアの方々に朗報!
前回見た、基本的なパップス・チェーンを第1次円列とすると、それらの円列に接する第2次の円列、その第2次円列に接する第3次円列群の中心座標と半径を求める式もあるそうです。パップス・チェーン(Wolfram Mathworld)で説明されていました。
ここでパップス・チェーンの第1次円列の中心座標と半径を求める式および図を再掲します。
分かりやすくするために C の直径 1 – r を s、また各分母の共通部分を val と置くと以下のようになります。
val = n^2 * s^2 + r
xn = r * (1 + r) / (2 * val)
yn = n * r * s / val
rn = r * s / (2 * val)
パップス・チェーン(1)実践
前稿の内容を踏まえたものを wonderfl に投稿しました。
Pappus Chain (basic, static) – wonderfl build flash online
これは静止版。
パップス・チェーン(1)
パップス・チェーンの話に入る前に、その前提であるアルベロスとはどういうものなのかということを確認しておきます。
と言っても、図を見たままですが……
まず直径が 1 の大半円を置きます(以下 A とします)。
その内部に2つの小半円を、お互いに相手の外側で、相手および大半円と1点で接するように置きます(以下、左側の半円を B、右側の半円を C とします)。
B の直径を r とします(自動的に、C の直径は 1 – r となります)。
半径じゃなくて直径、というところがミソでしょうか。
一般的に幾何学における単位円は半径が 1 なので、ぼんやりしてると間違えるポイント。
Read more
アルベロス(靴屋のナイフ)
幾何学に「アルベロス」と呼ばれるものがあります。ギリシア語で「靴屋のナイフ」という意味だそうで、はるか昔、古代ギリシアの数学者アルキメデスも研究していたとう、かなり歴史のあるものとのこと。
その形状は3つの半円から成り、以下のような形状をしています。黒い部分がアルベロスで、古代ギリシアの靴屋が使っていたナイフに似ていることから名づけられたそうです。
Read more
アポロニウスのガスケット(2)
ところでアポロニウスのガスケットですが、例えば wikipedia 英語版の当該項目などでは右のような図形と紹介されています。
前回、wonderfl に投稿したコードは、この図形でいえば、その中心部分にできる極めて小さな三角形の隙間を充填した円群でした。
今回は、右のような円充填されたアポロニウスのガスケットはどのようにしたら描けるのか、という話。
つまり、3つの正接円とその外接円で作られる鎌形の隙間を充填する円の中心座標と半径はどのようにして求めるのか、ということです。