東京島
木村多江に萌えたかっただけなんです。それが罪なことなんでしょうか神様。こんな酷い拷問いくら何でもあんまりです。
きのう、おとうさんとおかあさんといっしょにデパートにいきました。
でんしゃにのりました。
デパートではおもちゃをかってもらいました。
それから8かいのれすとらんでおこさまランチをたべました。
それからまた、でんしゃにのって、いえにかえりました。
へやにはいって、おもちゃであそびました。
小学生低学年は、一日の出来事をこんな感じに文章化しますが、この映画の流れがまさにこのノリ。大事と思われる部分もそうでないと思われる部分も、時間の流れどおりに、ダラダラとつないでいく。しかも唐突に切り替わったりするから全然わけが分かんない。特に島からの脱出劇のきっかけ。
原作小説読んでないんで断定はできないんですが、たぶん脚本家がA級戦犯なんだろうと思う。でも最終的な決定権は監督が握ってるんだから、となると監督が悪いのかなぁ。
たとえば、嵐の中(と思われる)で溺れかけた相手の手を掴むシーンの描かれ方。何なのアレ? それに冒頭の旅行鞄にいろいろなものを詰めるシーンも必要? たしかに後ほどおめかしするのに役立ってますが、だからといって冒頭のシーケンスは取り立てて良い効果を生んでませんよ。
映画を観た後、原作文庫本の帯の惹句と目次と冒頭の2行を読んだんだけど、どうも原作の最初から終わりまでを映画でも描いているっぽい。小説はクジ引きのところから始まってるけど映画もそれで良くね? あんな雑な描き方なら、それ以前の時間は回想シーンで流せば充分でしょ。
で、木村多江について考えたんですが、意外性ってことを考慮に入れても、やっぱミスキャストなんじゃないかなぁ。
自分が生きるためなら男を騙していくらでも相手を乗り換える、まぁ男性視点的には悪女と呼べる女性の役です。木村多江のルックスからも、今まで演じてきた役柄からも180度異なる人物。そういう、男性視点的にはイヤな女に見えないんですよねぇ彼女の面差しは。
まぁ顔と性格は一致するわけじゃないから、悪女でも優しそうな面差しってのも構わないです。でも表情までがそうなのはどうなんでしょう。エゴ剥き出しのときの表情すらも、何か優しげで、一歩引いてる感があって、しぶとさとか悪辣さといった雰囲気が一切感じられないんだよなぁ木村多江は。
彼女から感じ取れるネガティブなイメージというと、どうしても恨み辛みに耐えるといった感じかなぁ貞子みたいに(TV版リング見てないけど)。
でも今まで見たことない演技が見られて、かなり面白かったですなぁ。
豚肉ガツガツ食らうところとか、ビールの寝言とか、ケンタッキー!!!! ケンタッキー!!!! とか、勝負服でクジ引き会場に向かう坂で男性陣が見えた途端に取り繕うところとか、かなりカワイイ女性に見えてしまった。とても悪女には見えん。萌える。
興味ある役者が思わぬ面を見せてくれるという意味ではかなり萌えたけど、映画作品として考えるとちょっと失敗じゃあないかなぁ、と。
まあ、役者うんぬん以前に映画としてかなりダメダメだけどな冒頭で述べたとおり。まぁこの映画を一言で評すと「粗雑」かな。
一番イタかったのは「黄色いさくらんぼ」。イタイなんてレベルをはるかに凌駕してる。顔から火が出るなんてもんじゃない。あまりのいたたまれなさにこの世から消滅したくなったくらい恥ずかしい思いをさせられたよ。なんで観客がそんな気持ちにならなアカンねん。
Comments
Tell me what you're thinking...
and oh, if you want a pic to show with your comment, go get a gravatar!