畑政義写像(4) -複素数[2]-

2010 / 08 / 11 by
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前回は、複素数の理解を得るために「ゼロからわかる虚数・複素数」という本を読んだという話と、「負の数」の歴史の話について書きました。
負の数という概念は古くからあったが永いこと否定的に扱われていた、しかし数直線上に図示するようになってから人々の間に浸透していった、ということでした。

「虚数」も負の数と状況は同じで、2乗して負の数になる数値を設定しないと三次方程式の一般解が求められない、という状況の元でしかたなく発想された概念とのこと(上記書籍P92~)。
そして負の数が市民権を得たのと同様、ガウスという数学者が虚数を複素数として捉え直し、図示したことでその存在を肯定されるようになったんだそうです(上記書籍P100~)。

では、ガウスはどのように図示したのか。

まず、方程式の解の中に現れる虚数は単独ではなく、実数 + 虚数という形態で出現する、ならば虚数を単独で扱うのではなく、実数 + 虚数という「新しい数」として扱おう、と定めたとのこと(上記書籍P110、111)。

実数部が 0 ならば純粋な虚数になるし、逆に虚数部が 0 ならば純粋な実数になるというわけで、複素数というひとつの表記法で実数、虚数、両方の混成の3通りの数を示すことができるわけですね。

ガウス平面上と図示された複素数

ガウス平面上と図示された複素数

そしてガウスはふたつの数直線を用意しました。ひとつは横軸。もうひとつは縦軸。ふたつの軸は0で直行。
横軸は複素数のうち実数の値を示す軸、縦軸は複素数のうち虚数の値を示す軸としました。

ルックスはデカルト平面(座標平面)と同じですね。これはガウス平面(複素数平面)と呼ぶそうです。

このように複素数を座標と同じように図示することで、虚数はあり得ない数ではなく、実体が存在する数という認識が徐々に広まったという。

続く



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