Hénon Map
前回はドイツ人によるアトラクタである Rössler Attractor を見ましたが、今回はフランス人による写像である Hénon Map を見てみます。
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フランス語では語頭の H は発音しないので、「エノン写像」となりますね。
フランスの天文学者にして数学者の Michel Hénon が1976年に発表したもの。
ローレンツ・モデルをポアンカレ断面によって単純化したものとしてミシェル・エノンによって紹介された、と英語版 Wikipedia に書いてありますが、自分で書き写しておきながら何が何やらさっぱり分からん。
ローレンツ・モデルってのはローレンツ・アトラクタのアレ。
ポアンカレ断面ってのは、三次元に展開されるアトラクタ軌道を、あるZ軸平面で切断し、当該Z軸平面にだけプロットされる点だけを取り出すもの、という理解で良いのかな? CT や MRI の図像みたいなもんすかね。
このエノン写像は、カオス研究においては最も広く知られたもののひとつで、「離散時間散逸力学系二次元写像」という、何言ってるのかよく分からない写像に分類されるものだとか。
その漸化式は以下のとおり。
xn+1 = yn - a * xn^2
yn+1 = b * xn
Gingerbreadman Map の漸化式ほどではありませんが、けっこう単純な式ですね。
にも関わらず、そのパラメータの設定によって三日月というかブーメランというか、一風変わった軌道を描くんですから、数式というのは奥深いものですなぁ。
でもパラメータ値はかなりシビアで、ちこっとズレただけでパーティクルが雲散霧消します。
参考
- Hénon map(Wikipedia)
- Hénon map(Wolfram MathWorld)
- カオス&フラクタル術語集 ハ(カオス&フラクタル紀行)
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