Man O’ War (2)
Man O’ War (julia type) – wonderfl build flash online
前回は Man O’ War フラクタルについて、"Fractal Creations" という本に記述されている内容に触れました。
今回はこのフラクタルを実現している漸化式について若干の解説なんぞをば。
ここでまたまた標準のマンデルブロ集合およびジュリア集合の漸化式を再確認。
zn+1 = zn^2 + c
これは、z と c の二つの複素数を要素とした計算結果を z に代入し、その z は再び c と共に計算の要素となる。そして計算結果をまた z に代入し、その z は再び c と共に…… と指定の回数だけループさせるという計算です。つまり以下のようなことですね。
z1 = z0^2 + c
↓
z2 = z1^2 + c(上の計算結果 z1 がこの式の右辺に)
↓
z3 = z2^2 + c(上の計算結果 z2 がこの式の右辺に)
↓
z4 = z3^2 + c(上の計算結果 z3 がこの式の右辺に)
↓
z5 = z4^2 + c ……
今まで見てきたフラクタルの漸化式は前回の計算結果を今回の計算の要素のひとつに使う、という流れ。
では Man O' War の漸化式はどうなっているのか、というと以下のようになっています。
zn+1 = zn^2 + zn-1 + c
Man O' War フラクタルの漸化式はマンデルブロ集合やジュリア集合の漸化式に、もうひとつ要素が加わった形をしています。
そしてその新たに加わった要素は、前々回の計算結果である z です。
このように前回だけでは飽きたらず、前々回の計算結果まで追い求めるという、何とも実に過去を引きずる未練がましいフラクタルってワケですね。
そんな潔くない Man O' War フラクタル。前回はマンデルブロ集合タイプのものを wonderfl に投稿しましたが、今回投稿したのはジュリア集合タイプ。それが冒頭のものです。
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