『古都鎌倉と近代美術』

2012 / 08 / 07 by
Filed under: 展覧会日記 
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『古都鎌倉と近代美術』

『古都鎌倉と近代美術』

神奈川県立近代美術館鎌倉で鯰絵を観た後は、鎌倉別館へ移動、標記展覧会を観ました。

本展は、鎌倉ゆかりの作家による鎌倉を扱った作品を展示することで、古都鎌倉と近代美術について再考することをテーマとしたものらしい。会期は、鎌倉本館で開催されている『鯰絵とボードレール展』と同じスケジュールの2012年6月23日(土)~9月9日(日)となっています。

でも申し訳ないけど、そのテーマは吹っ飛んじゃいましたよ。と言うのも、本展のサブタイトルとして以下の文言があります。

『併陳・新収蔵品展 藤田嗣治《キキ・ド・モンパルナス》初公開』

藤田嗣治「キキ・ド・モンパルナス」

藤田嗣治「キキ・ド・モンパルナス」

『古都鎌倉と近代美術』展に併せて新収蔵品を開陳という意味ですよねぇ。
つまり『古都鎌倉と近代美術』展がメイン、『新収蔵品展』がサブということだと思いますが、印象としては『新収蔵品展』の方が目立ってないですか。
正確に数えていたわけじゃないんですけど作品数も『新収蔵品展』の方が多かったように思えますし、それより何よりフィーチャーリングされている藤田嗣治の「キキ・ド・モンパルナス」のメジャー度合いがまじパネぇ。

藤田嗣治といえば「白」。
この白は一体どうやって生み出されているんですかねぇ。透明感溢れるなんとも不思議な白ですよねぇ。

それ以外に気になったのは、やはり『新収蔵品展』側で展示されていたアルビン・ブルノフスキという作家のエッチング群。
この人はスロベキアの現代版画家とのこと。驚異的に細密な幻想的作風が実にオレ好みで見入ってしまいました。
このページにいくつか作品が紹介されています。

あと印象に残ったもの。
『古都鎌倉と近代美術』展側の作品として朝井閑右衛門の「祭」という連作が展示されています。
「祭 I-お狐」「祭 II-巫女さん」「祭 III-鶴ヶ岡」の3枚で、鶴岡八幡宮の祭をテーマに、いずれも1977年に描かれたものとのこと。
これの別バージョンなのか習作なのか、それとも連作の1枚なのか、位置づけはよくわかりませんが、「II-巫女さん」と同じモチーフ、ほぼ同じ構図の絵を別の場所でも見ましたよ。

それは、横須賀美術館で開催中の『平成24年度第2期所蔵品展』です。
展示室5「朝井閑右衛門室」にありました。タイトルは「祭」。制作年は同じく1977年。

遠くの方から鎌倉、葉山あたりの美術館制覇にお出での方は、神奈川県立近代美術館鎌倉別館の本展と横須賀美術館の常設展を併せてご覧になって、朝井閑右衛門室を見較べる、という鑑賞の仕方はいかがでしょうか。



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