『福岡市博物館所蔵 幽霊・妖怪大全集』

2013 / 07 / 29 by
Filed under: 展覧会日記 
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『福岡市博物館所蔵 幽霊・妖怪大全集』

『福岡市博物館所蔵 幽霊・妖怪大全集』

2013首都圏夏のお化け祭りの真打登場!! 去年、東日本のお化け好きを大いに悔しがらせた標記展覧会が、ついに首都圏にやってきた!!

あ、悔しがったのは別に YKI48 総選挙に参加できなかったからではありませんよ。その開催地のあまりの遠さゆえ、行くことができなかったためです。

日本画家にして風俗研究家の吉川観方が集めた幽霊・妖怪画コレクションを福岡市博物館が一括買上という快挙。その作品群が一堂に会するこの展覧会。会期は、前期が2013年7月27日(土)~8/11日(日)、後期が2013年8月13日(火)~9月1日(日)の2期構成。その初日である2013年7月27日(土)に行ってきました。

三井記念美『大妖怪展』、横須賀美『日本の「妖怪」を追え!』、そして本展。いずれも展示品がかなり被っていて、3展目ともなると、またこれかぁ、と、もう食傷気味なんすよねー。

という意見は言いがかりというもの。

去年開催されたものが今年、関東に巡回してきたのが本展なわけで、そもそもこっちが元祖だ。鑑賞の歩みを進めるにつれて、元祖の底力を大いに見せつけられました。

半期にそれぞれ120点近く、合計160点という膨大な展示点数がまず凄い。
そごう美術館に巡回すると聞いた時、あそこに入り切るのかなぁ、と心配になりましたが、しっかり収まっていました。意外と広かったのね、そごう美術館。私が間違っていました悪うございました。

そして題名のとおり、幽霊画セクションと妖怪画セクションとにきっちり分かれていますが、まずは幽霊画が並びます。その前振として、最初に骸骨図と九相図が展示されおり、幽霊への導入部としてなかなかイイ感じ。
半期に50点越えという展示数。この充実度には圧倒されます。とりわけ肉筆幽霊画掛軸が数多く並んでおり、かなりの見応え。
初めて足のない幽霊を描いたと伝わる円山応挙や、怪異ものを数多く描いた河鍋暁斎は当然のことながら、渓斎英泉や谷文晁といったビッグネームが描いた幽霊画という、なかなか面白いものが展示されています。
先日、江戸東京博物館で開催された『ファインバーグ・コレクション展』に展示されていた《月に雲図》の記憶も新しい鈴木松年による幽霊画もありました。

さて続いて妖怪画。
これまた半期に50点超の展示数。大昔、子供向け妖怪図鑑に図版として収録されていた錦絵や掛軸の本物を数多く見ることができて至福のひと時を堪能しました。特に見たかったのは伊藤若冲《付喪神図》。kawaii!
あと、佐脇嵩之《百怪図巻》と作者不詳《怪奇談絵詞》。室町期の百鬼夜行絵巻とは違う、妖怪図鑑絵巻も見どころですね。

さてこれで今夏、首都圏で開催される幽霊・妖怪を扱った美術展はすべて出揃いました。
あとは谷中の全生庵で幽霊画コレクション(開帳期間は8月の1ヶ月間)を見れば、幽霊・妖怪で大充実の夏ですよ!

ところで首都圏妖怪3展コンプして、すべての半券を提示すると「YOKOSUKA軍港めぐり」の乗船券がもらえるとのこと(各美術館先着200名)。

これってやっぱり横須賀市観光課のブッコミ企画なんすかねぇ。

軍港めぐりとは、横須賀米海軍基地とそのすぐそばの海上自衛隊指令部の海域を回って、アメリカの空母や戦艦、日本の自衛艦などを見ることができるというクルージングツアーです。かなりの人気で休日は長蛇の列ですマジで。
よろしければ横須賀においで下さいませませ。

ところで、この展覧会で見られる作品はすべて福岡市博物館の所蔵品。美術館の所蔵品ではない、ってところに美術館による妖怪展の特性が出ていますよね。
来年以降、美術館による妖怪展はどのような変化を遂げていくのか、それとも滅びてしまうのか。興味深い。
まぁ佐倉の歴博がある限り、というか歴博に常光徹先生がいらっしゃる限り、妖怪好き的には安泰な気もします。



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