『ピラネージ『牢獄』展』

2012 / 03 / 23 by
Filed under: 展覧会日記 
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『ピラネージ『牢獄』展』

『ピラネージ『牢獄』展』

国立西洋美術館常設展示室内の版画素描展示室では『ユベール・ロベール-時間の庭』に併せて、同じ会期で標記展覧会が開催されています。
西美で企画展を見たら、そのまま常設展を見るのは当然の流れ。

それにサイトの展覧会告知ページをうかがうに、ユベール・ロベール展よりもはるかにデカダンスな雰囲気漂うこの展覧会。見ずにはいられない、ってなわけで見てきました。
結論から言うと、私としてはこちらの展示の方が何倍も満足度が高かったです。

ところで私、不勉強でピラネージという作家を初めて知りました。
ピラネージというのは18世紀イタリアを代表する版画家にして建築家とのこと。
そのピラネージの代表作が今回展示されている版画連作「牢獄」で、それは第1版と第2版があるそうです。
第2版は第1版に大きく加筆修正したもので、第1版は3刷、第2版は4刷され、西美では第1版も第2版も共に3刷(一部例外あり)を所蔵していると、説明書きにありました。

両版の同一ページが隣り合わせで展示されてます。両者を比較しながら見ることができるという寸法ですね。
ずいぶんと白くあっさりした第1版に比べ、黒々と力強い画面の第2版は見ていてワクワクします。
第1版の時点で既に「これが牢獄?」という印象がありますが、第2版ではゴテゴテとデコラティブなさらに要素が増えて、もう確実に牢獄とは言えない、神話的とも言ってよい異空間が展開されています。もうこれは幻想絵画でしょう。実に萌える!

とりわけ心に響いたのは、「(3)円形の塔」「(7)跳橋」「(10)張り出した井桁の上の囚人たち」「(14)ゴシック式アーチ」の4点。いやぁ堪能いたしました。



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