『出雲 聖地の至宝』

2012 / 11 / 18 by
Filed under: 展覧会日記 
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『出雲 聖地の至宝』

『出雲 聖地の至宝』

中国の至宝を堪能した後は、日本の至宝を堪能する。

というわけで引き続き、トーハクの本館で開催されている標記展覧会を観ました。会期は2012年10月10日(水)~2012年11月25日(日)。

本展は、古事記や風土記、神像などといった神話的側面と、出雲各地で出土した銅鐸や銅剣、戈などの文物による史実的側面の二つから出雲を観る、という構成になっています。

今回の目玉は、出雲の地から初めて外地に出たという宇豆柱でしょうかねぇ、やはり。
しかし個人的には、出雲神社社殿の本来の姿を再現した1/10スケールの模型に惹かれました。長く高い階段の先にある社。その高さは48メートルと推定されているとか。この巨大な社殿は御霊信仰の現れですよね。

漫画家の水木しげる先生は、かなり昔から、出雲族の無念をマンガに描いてくれ、と夢のお告げを受けていたそうです。自伝などでそれを知り、楽しみにしていたんですが、いつまでたっても作品にならず。もうお年もお年だからと諦めていたんですが、今年ついに単行本化されました。題して「水木しげるの古代出雲」。この展覧会と併せて読むにはうってつけの本ですね。

個人的にはもうちょっと神話的側面を強調した展示を期待していたんですよねー。
なんたってスサノオのヤマタノオロチ退治から始まっているんですから出雲は。その後もオオナムチ(オオクニヌシ)とスクナビコナ、クエビコ、タニグクと多くのキャラクターがそろっていますし。

そして、スサノオは天津神であるにも関わらず、その子孫であるオオナムチが国津神であったり、オオナムチのパートナーであるスクナビコナは天津神の息子だったり。このような欺瞞でイズモを天津神が治めることの正当性を説く古事記について、とかあってもよかったんじゃないかなぁ、などと思いました。

一方、拾いものだったのは神像コーナーに展示されていた摩多羅神の木像。摩多羅というのは正体不明の神。たぶん出雲神話には関係ない神だと思うんだけど、このようなところで見られるとは。
それ以外にも牛頭天王、男神、女神など、多くの神像が展示されていました。



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