反応拡散系(4)

2013 / 07 / 25 by
Filed under: Coding の素 
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最後にプリセット・パラメータの解説。Parameter クラスで定義しています。

プリセットは全部で8パターン。
これらの値は大阪大学大城研究室のサイトの井村誠孝準教授の講義資料、2013年コンピュータ工学基礎演習の第9回「パターン形成」の演習(PDF、8ページ目)と解答例(PDF、4ページ目)にあったものです。
一番最初に触れた「噛み砕いた資料」というのはこれらのこと。

"Pattern 1" と名づけたものから "Pattern 7" と名づけたものまでは、Dv = 0.1、Du = 0.05 で固定です。その中から特徴的なものだけ解説します。

Gray-Scott モデルの反応拡散方程式 – wonderfl build flash online

↑を実行しながらご覧ください。

"Pattern 1"
F = 0.02500, k = 0.05424
いかにも反応拡散というクネクネと曲がった迷路風というか縄文土器のうねる模様風の線を描きます。

"Pattern 2"
F = 0.02500, k = 0.05650
Pattern 1 は線だけですが、Pattern 2 は点が加わります。

"Pattern 5"
F = 0.01200, k = 0.05000
見た目はただのツブツブでずいぶん地味ですが、実はこれこそが反応拡散の見所と言ってよいかも知れません。
Pattern 1 ~ 7 のうち、5 以外のものは、ある程度まで描画が進むと、その形状が安定します。
しかしこのパターンは形状が決して安定しません。黒いツブツブが現れたり消えたりします。
簡単な方程式にも関わらずこのような不安定を生み出す、これが反応拡散の神秘といったところでしょうか。

"Pattern 6"
F = 0.03500, k = 0.06010
Pattern 1 と同じようなものですが、何となくキース・ヘリングの線のようにも見えたり見えなかったり。

最後にいろいろパラメータを弄っていたら、なんとなく BZ 反応っぽい(あくまでも「っぽい」)ものができたので、オマケでそれもプリセットしました。

"like BZ"
F = 0.02000, k = 0.04800, Dv = 0.1, Du = 0.15
他のパターンは Dv > Du でしたが、このパターンは Dv > Du であることが、大きな違いです。
なお、他のパターンは見ているだけでもオッケーですが、このパターンのときはビューア上で、ドラッグしながらマウスをグルグル動かしてください。巧くいくと黒い線が内側に巻き込むような螺旋を描きます。
本当の BZ は Gray-Scotte モデルとは異なる方程式、異なるパラメータだと思いますが、なんとなくそれっぽくないすか?



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