東京国立近代美術館『平成22年度第4回所蔵作品展』

所蔵作品展「近代日本の美術」
2011年2月5日(土)、東京国立近代美術館では『「日本画」の前衛』に続いて所蔵作品展も見てきました。会期は2010年12月25日(土)~2011年2月13日(日)の所蔵品点、今回は「近代日本の美術」というテーマでキュレートされていたようですが、空気読まずに、自分の興味のままにいろいろ書き散らしますよ。
4階の特集コーナー「神仏を表す」と題したコーナーでは岸田劉生の銅版画シリーズ『天地創造』の3枚「欲望」「怒れるアダム」「石を噛む人」に目を惹かれました。それ以外にもいわゆる宗教画とは異なる、神や仏を描いた絵が展示されており、なかなかに興味深いものでした。
そしてもう一点はこれ。シュルレアリスム好きとしてはどうしても避けて通れない作品が展示されていました。
マックス・エルンストによる「マルスリーヌ・マリー」。
『福沢一郎絵画研究所 展』

『福沢一郎絵画研究所 展』
2010年12月23日(金・祝)は板橋区立美術館で標記展覧会を観てきました。
会期は2010年11月20日(土)~2011年1月10日(月・祝)。
板橋区立美術館は良いですよね。収蔵方針と企画展はいつも楽しみです。
公式サイトの説明によると板橋区立美術館の収蔵方針は以下の三つから成り立っているそうです。
- 江戸狩野派を中心とした江戸時代の古美術(近世絵画)
- 大正から昭和前期までの前衛美術作品(近・現代洋画)
- 池袋アトリエ村や区内ゆかりの作家などの作品(近・現代洋画)
そして展示活動としては、上記収蔵方針1に対応する「江戸文化シリーズ」や、収蔵方針2および3に対応する「20世紀検証シリーズ」などが、板橋区立美術館単独の企画展として展開しています。
浮世絵に興味があって、シュルレアリスム好きな私としては、他では見られないオンリーワンな企画展には実に辛抱堪らんわけです。
それ以外に巡回企画展として「イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」も催されており、これまたなかなか魅力的なシリーズですよ。
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『マン・レイ展』

『マン・レイ展』
私がシュルレアリスムに傾倒するようになったきっかけは、子ども時代に家にあった百科事典です。
その中には50音順の項目以外に、分野ごとのコーナーがありまして、そのうちの西洋美術史のコーナーにシュルレアリスムが紹介されていたのです。
デ・キリコ、ダリ、マグリットといった画家の絵とともに、ある一つの絵が掲載されていました。
それはかなり横に長い絵で、絵の下の方には森が描かれ、空は鱗雲で覆われています。そしてその空全体、つまり絵画全体を占めるように、巨大な真っ赤な唇が空に浮いているというものでした。
その百科事典で紹介されていたシュルレアリスム絵画の中で、その絵は一番のインパクトを持っており、幼い私の脳には、その絵と作者のちょっと変わった名前がクッキリと刻印されたのです。
その絵のタイトルは「天文台の時間 -恋人たち」、描いたのはマン・レイ。
以来、私はすっかりシュルレアリスム好きになってしまったのでした。
そんな私をシュルレアリスムの世界に引き込んだアーチストの展覧会と聞いては、これは行くしかないでしょう。
というわけで、平成22年8月14日(土)、六本木の国立新美術館で7月14日(水)~9月13日(月)の会期でおこなわれている標記展覧会を見てきました。