Nova Fractal(1) ~Mandelbrot Type~
今回は、資料が少なくて、いまいち判然としない Nova Fractal というフラクタルについて。
Nova Fractal (Mandelbrot Type) – wonderfl build flash online
Wikipedia の当該ページ、nova fractals、nova fractal cloudy、Ultra Fractal: Manual、Nova Fractals などの記述を総合すると、Nova Fractal は Paul Derbyshire という人によって発見された Newton Fractal の系列に属するフラクタルとのことです。
Paul Derbyshire というのはどういう経歴の人なのかは、検索してもそれらしい情報に行き当たりませんでした。またなぜ Nova という名前なのかということも分かりませんでした。
Nova Fractal の漸化式は以下のとおりです。
zn+1 = zn - R * f(zn) / f'(zn) + c
Barnsly Sierpinski Triangle
以前 Barnsly のフラクタルというものを見ました。Barnsly というのは、そのフラクタル群の式を考案した学者の名前でマンデルブロ型3種類、ジュリア型3種類のフラクタルがありました。
今回見るのもその Barnsly によるフラクタルで、シェルピンスキーの三角形を漸化式で描くものです。オリジナルのシェルピンスキーの三角形は正三角形ですが、このフラクタルは直角二等辺三角形に近い形状になります。それがコレ↓
Barnsly Sierpinski Triangle – wonderfl build flash online
Burning Ship Julia
バーニングシップ・フラクタル – wonderfl build flash online
上のものはかつて見た Mandelbrot 集合の1亜種である Burning Ship Fractal です。
その漸化式は以下のようなものでした。
Rl[zn] = |Rl[zn]|
Im[zn] = |Im[zn]|
zn+1 = zn^2 + c
見てのとおり Mandelbrot 集合の漸化式にほんの一手間、式を反復する前に z の実数部、虚数部をともに絶対値に置き換えるという処理を加えたもの。
たったそれだけで桃みたいな Mandelbrot 集合の形状が、巨大戦艦のような形状に変形する。数の神秘というか宇宙の神秘というか、この世を律する法則の深遠さに触れるフラクタルでした。
ちなみにこれの Multibrot バージョンはあまり面白い像を結びません(Symmetry in the Burning Ship to higher powers 参照)。
Phoenix (2)
"Fractal Creations" 同様、フラクタルを学ぶときの参考書にしている "Creating Fractals" という本によると、この Phoenix Fractal を発見したのは日本人だそうですよ。
"Shigehiro Ushiki at Kyoto University discoverd this equation" とあります(同紙 P250)。
そして Draw a Phoenix set fractal in C# や The Phoenix Set and its Julia Sets によると、それは1988年のこととあります。
ググったところ、京都大学大学院 人間・環境学研究科の宇敷重廣教授という方の情報を発見。
先生の個人ウェブサイト Shigehiro Ushiki = Home Page かなりソソる画像満載の萌えるサイトでした。
しかしこんな限られた値(しかも実数部は小数点以下4ケタ!)でのみ、このような像を結ぶ漸化式を発見するって、どういう過程だったんでしょうかねぇ。もうスゴイとしか言いようがないですねぇ。
Phoenix (1)
Phoenix – wonderfl build flash online
これは Phoenix と名づけられたフラクタルです。まるで燃え上がる不死鳥が2羽、向かい合ったようですね(反時計回りに90度回転させれば)。この漸化式は以下のようなものです。
zn+1 = zn^2 + Re + Im * zn-1
見てのとおり、漸化式の反復における1ステップ過去の z を計算項として使用しています。Man O’ War と同じで、不死鳥さんも過去を引きずる人なんですね。